2009年2月18日 13時55分更新
倉敷市の市議会議員が行政視察の費用に「政務調査費」を使ったのは、市の条例に違反すると市民グループが訴えていた裁判で、岡山地方裁判所は17日、「視察は観光目的だったといわざるを得ない」と指摘し、訴えを全面的に認めて、政務調査費およそ160万円の返還を命じる判決を言い渡しました。
この裁判は、3年前、倉敷市の市議会議員15人が「政務調査費」を使って秋田県や山形県で行った行政視察をめぐり、倉敷市の市民グループ、倉敷市民オンブズマンが、視察は観光目的であり政務調査費は調査や研究に使用するとした市の条例に違反するとして、およそ162万円の返還を求めていたものです。
17日の判決で、岡山地方裁判所の近下秀明裁判長は、「視察中に調査などが行われた形跡はまったくなく、観光旅行だったといわざるを得ない」と指摘しました。
そのうえで「視察に政務調査費を使ったことは市の条例に違反する」と述べて、倉敷市に対して視察に参加した議員にあわせておよそ162万円を返還させるよう命じる判決を言い渡しました。
判決について倉敷市民オンブズマンの三宅毅代表は「当然の判決だと思う。今後も政務調査費のあり方を監視していきたい。」と述べました。
一方、倉敷市の伊東香織市長は「主張が認められず、残念に思う。判決を詳細に検討し、今後の対応を考えたい。」というコメントを出しました。
全国市民オンブズマン連絡会議によりますと、議員に旅費として支給された政務調査費の違法性を市民グループが訴えた裁判で、市民グループ側が全面的に勝訴したのは、全国で9例目だということです。