ロンドン(CNN) 英ロンドンにあるユダヤ人が多数居住する地区などで今年に入り、ユダヤ人へのいやがらせや暴行が激増、1月だけで国内で200件以上発生していることが18日までに分かった。英国内での反ユダヤ人行動の動向を追う非政府組織(NGO)の「コミュニティー・セキュリティー・トラスト」が報告した。
記録を取り始めた1984年以降、月間の発生件数としては最多。先月にはユダヤ教徒の縁なし帽子を着用した男性が夜、複数の男に路上でいきなり暴行を受ける事件も起きている。
ロンドン警視庁によると、昨年12月以降、ユダヤ人を狙った嫌がらせや暴力の件数は、イスラム教徒の被害件数より4倍多くなっている。
トラストは、昨年12月と今年1月に起きたイスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの空爆、武力侵攻などが背景にあると指摘。ユダヤ人の被害は、放火、ユダヤ教礼拝堂の落書き、言葉や物理的な暴力、電子メールでの嫌がらせなどが含まれる。
事件多発を受け、英議会では背景要因を探る調査委員会も開かれた。
ガザの衝突が続く間、他の欧州各地でもロンドンと同様の事件が多数報告されていた。