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2009年2月18日

 中川財務相が辞任すると聞いて、似た話を思い出す年配者が多いに違いない。終戦直後の1948(昭和23)年、泉山蔵相が国会内で酔いつぶれ、メロメロになった件である。翌日すぐ蔵相はクビになった

60年も前の話で恐縮だが、似たような政治家はいつの時代にもいると思えば、新たな教訓にはなる。加えて、罷免したのが麻生さんの祖父である吉田茂首相だったといえば、何とも因縁めいた話ではある

当時の酩酊事件をこう皮肉った人がいた。大臣が議場で酔っぱらうとはけしからんというのは論理的ではなく「議場で酔っぱらうような男を大臣にしたのがけしからん」(高田保・ぶらりひょうたん)と

世界的な経済危機を何とかしようと集まった国際会議で醜態をさらすような男を、日本経済の舵取りに選んだ首相の責任は免れまい。むしろ、政治も経済も国際化している今日、その責任は60年前とは比較にはならないほど重い

麻生内閣のドタバタ劇は「日替わり」である。野党は何もしないでも毎日「票」が転がり込んでくる。あまりの敵失に酔ってはいけないと変な心配をするほどである。


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