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オトコとオンナの事情・フランス編:第86回 バレンタイン村に集うカップル 14日は愛の祭り

フランスのバレンタイン村(C)la mairie de Saint Valentin
フランスのバレンタイン村(C)la mairie de Saint Valentin

 バレンタインデーが近づくと、ハート型の広告がならび、オススメのプレゼントが話題になるのはフランスも日本も変わらない。違うのは、愛する女性に花束を贈るオトコたちが、バラを買い求めて花屋に行くこと。白髪混じりの紳士からジーンズ姿の若者まで、赤いバラ1本または花束をかかえてさっそうと歩いている。

 バレンタインと言えば、フランスにはバレンタイン(Saint-Valentin)という名前の村がある。パリからおよそ260キロ、フランス中央部のアンドル県にある、人口285人の小さな村。その名は、1190年には記録に残っており、バレンタイン聖人の守護の下、カトリック教の教区がおかれているが、その由来ははっきりしていない。村によると、別の場所からバレンタイン聖人の骨や遺物など、聖遺物が運ばれてきたと考えられているそうだ。

 フランスの暦を眺めると、毎日異なる聖人の名前がついている。2月14日はバレンタイン聖人の日。第一次世界大戦前まで、この村では村人全員が参加して聖人の日を祝う盛大な宴を開いていた。教会のミサにはじまり、聖人の旗を先頭に村を練り歩いた。

村役場(C)la mairie de Saint Valentin
村役場(C)la mairie de Saint Valentin

 その後、途絶えていたこの行事は、1965年に愛する人びとの祭りに生まれ変わる。当時の村長が先頭に立ち、花屋や商業連盟も後援にまわって、大きな祭りに発展した。周辺地域の婚約者らおよそ100組が集まり、ミサや行列に加えてダンスパーティーも開かれ、多くの露店が並んだ。

 これが今日も続く、バレンタイン村のバレンタイン祭り。いまや世界中から1000組以上のカップルが集まる一大行事に発展した。日本の姉妹都市、岡山県美作市(旧・作東町)をはじめ、オーストリアやカナダにあるバレンタイン村からも参加者がある。婚約者はもちろん、結婚25周年の銀婚式を迎えるカップルや、50周年の金婚式、60周年のダイアモンド婚を祝う年配組の姿もある。

 この祭りは、毎年14日に最も近い週末に開かれているが、今年は14日が土曜日。例年に比べて、多くの参加者を見込んでいる。村人たちは、色とりどりの花で村中の飾りつけを始めている。当日は、村役場で愛の証を受け取った後、教会のミサに参列。愛をテーマにした展覧会やコーラス、ダンスパーティーも予定されている。

ミサが行われる教会(C)la mairie de Saint Valentin
ミサが行われる教会(C)la mairie de Saint Valentin

 フランスでは、「よいツグミは、2月中旬に巣作りをはじめる」ということわざがある。寒さが峠をこえて春の訪れを感じる季節。バレンタインデーは、人生の伴侶に出会い、愛を誓いあうのに最適な日と言われている。

2009年2月10日

 

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