【ユジノサハリンスク18日時事】麻生太郎首相は18日午前、ロシア極東のサハリン(樺太)を訪れ、メドベージェフ大統領と会談し、北方領土問題の進展に向け交渉を急ぐことで合意した。会談後、首相は記者団に対し「新たな、独創的で型にはまらないアプローチで、われわれの世代で解決すべく、具体的な作業を加速することで一致した」と表明した。
領土問題をめぐっては、平和条約締結後に歯舞、色丹両島を引き渡すとした1956年の日ソ共同宣言から譲歩しないロシアと、4島とも日本に帰属するとした日本との立場の隔たりが埋まらず、平行線が続いている。首相は「向こうが2島、こっちが4島では全く進展しない」と指摘。「役人に任せていては駄目だ。政治家が解決する以外方法がない」として、事態打開に強い意欲を示した。会談では、首脳対話をさらに強化し、延期になっていたプーチン首相の訪日を5月に実現させることで一致した。また、4月2日にロンドンで開かれる第2回金融サミット(首脳会合)や7月のイタリアでのマッダレーナ・サミット(主要国首脳会議)でも、首相と大統領の個別会談を行うため、日程調整を進めることを決めた。両首脳はまた、極東地域での経済協力を推進することでも一致。ウラジオストクの橋の建設への日本企業の参加が決まったことを歓迎した。
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