イタリア・ローマで開かれていたG7(=先進7か国財務相・中央銀行総裁会議)は日本時間14日深夜に終了し、経済成長と雇用確保のためにあらゆる手段を尽くすことを確認した。世界経済の悪化に歯止めをかけられるのか、経済部・原聡子記者が解説。 共同声明では、特に「雇用」という言葉が何度も出てきた。「景気の悪化を防ぐためには、新たな雇用を作り出すことが重要」というG7の考えが明確になっている。このため、各国は積極的に財政出動を行うことを確認した。
しかし、課題もある。日本国内を見てみると来年度予算がいまだ国会を通過しておらず、さらなる財政出動の前に取り組む課題が多いと言えそうだ。また、保護主義回避についても、アメリカでは公共事業に自国製品の使用を義務付ける「バイ・アメリカン条項」が可決するなど、景気の悪化に伴って国内産業を守る圧力はますます強まっており、各国のさらなる努力が必要となりそうだ。
また、今回の声明には、会議のメンバーではない中国について特別に明記された。これは、世界経済にとって中国がいかに重要かを示すもので、これまでのG7の枠組みでは世界経済の動きに対応できないことがあらためて浮き彫りになったと言える。このため、4月に行われる20の国と地域(=G20)による金融サミット(=主要国首脳会議)への期待はますます強まりそうだ。