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医師会産科診療所スタート 鎌倉

2009年02月18日

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診療開始に先立ってテープカットをする石渡徳一市長、細谷明美医師会長、雨森良彦所長(右から)=鎌倉市小町1丁目

  「出産の施設が増えて助かります」「安心して産めます」――。鎌倉市小町1丁目で17日から診療を始めた鎌倉市医師会立の産科診療所(愛称・ティアラかまくら)を訪れた女性たちは、待合室で静かに喜びを語った。

(山元一郎)

  市内の会社員河井暁子さん(27)は「2人目です。3月20日が予定日で、健診を受けていた医師の紹介で来ました。これまで市内に1カ所しかなくて施設が増えて助かります。別の病院では待ち時間が5時間にもなることがあったので大変でした」と話す。

  市内の主婦(20)は「横浜市に通院していたが、雰囲気がなじめずにこちらに来ました。初めての出産で不安はありますが、何かあれば車で10分で駆けつけられるので安心です」という。

  この日の診療スタートを受け、雨森良彦所長は「『指揮官先頭』の気持ちです。いざという時に間に合うように当直室に泊まるつもりでおります。この施設が少子化の原因を崩すことになり、有意義なことだと思う」と意欲を語った。

  医師確保など運営は医師会が、運営費は鎌倉市が補助する。開設実行委員長として尽力した元大学医学部教授の医師矢内原巧さんは「市民全部の問題として温かく見守ってほしい。継続的なスタッフの確保など良い方向にいってほしい」と望む。

  一方、市内で唯一出産できる役割を担ってきた湘南鎌倉総合病院。病院側によると、産婦人科の外来待合室は婦人科と合わせて約40席だが、廊下に折りたたみいすを用意することも。病院の理念である「基本的に受け入れを断らない」方針のため、検査や十分な説明により待ち時間のメド30分を超えることも多いという。

  常勤、非常勤の医師9人、助産師37人、産科だけで28床。07年度の出生1070人のうち、市民は418人(39%)を占めている。

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