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11病院で医師不足191人県が試算

2009年02月18日

 県は、県内で中核的な役割を果たす11病院で医師不足が計191人に上るとの試算を公表した。これらの病院の現在の勤務医数は必要数の7割に満たず、他の病院も含めれば不足数はさらに膨らむことになるという。

 試算は、16日の県地域医療対策協議会で報告された。県立の九つの基幹病院と、盛岡赤十字病院、北上済生会病院の、内科、外科、麻酔科など主要13診療科で試算。各診療科で必要な医師数を原則4人とする前提で計算すると、必要な医師数は計606人。一方、現在の常勤医は415人で、差し引き191人が足りないことになるという。

 地域別にみると、岩手中部地域(花巻市、北上市、遠野市、西和賀町)で49人不足。釜石地域(釜石市、大槌町)は必要数43人に対し現状は19人で、必要数の半分に満たなかった。

 診療科別では、「医療の根幹にあたる」(県医療国保課・柳原博樹総括課長)内科で、必要数71人に対し28人足りない。また、全国的に特に医師不足が問題となっている産婦人科では、必要数56人に対し27人足りなかった。今回の試算には中小規模の病院は入っていないため、これらを含めるとさらに不足数は増えることになるという。

 こうした事態を受け、16日の協議会では、医師の計画的な養成・配置を進めるため、県、医療局、市町村がそれぞれ設けた奨学制度による新人医師の配置を、県が一括して調整する枠組みも示された。医師不足がより深刻な地域を重視して配置する方針だ。

 柳原総括課長は「重症者などを診る急性期の病院だけでもこれだけ医師が足りない。病院の機能を維持するためには一定の集約化が必要だ」と話す。

 県は県立6医療施設を無床化し、医師の集約を進める方針だが、花巻市大迫地区や九戸村など各施設の地元住民からは今も強い反対の声が上がっている。医師不足のなかで地域医療をどう守るか、議論は続きそうだ。

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