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【三重】

一志病院「県立は困難」 県立病院改革知事が方針案

2009年2月18日

県立病院の改革方針案を説明する野呂知事=県議事堂で

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 野呂昭彦知事は17日の県議会全員協議会で、津市の県立一志病院を民間譲渡するなど県立病院改革方針案を示した。「一志病院は残念ながら県立としての維持は難しい」と説明。県議からは反発の声が相次いだ。

 改革案では、2011年度末をめどに四日市市の総合医療センターを地方独立行政法人に、志摩市の志摩病院を民間に運営してもらう指定管理者制度に移行し、病院事業庁を廃止するとした。津市のこころの医療センターは公営企業として現在と同じ形で続ける。

 県立病院事業は一般会計から毎年40億円近い繰り入れをしても赤字が続いており、野呂知事は「病院の存続すら危ぶまれる。改革の先送りはできない」と強い口調で話した。一志病院の譲渡先や志摩病院の指定管理者は公募で事業者を選定。一志病院は譲渡後も資金の支援を続ける。

 県議の質疑は改革案に否定的な意見ばかりだった。西塚宗郎氏(新政みえ)は「経営形態を変えても医師が増えるかどうか分からず、問題を解決する方向が見えない」と指摘。萩原量吉氏(共産党県議団)は「採算性だけで判断し、地域医療を切り捨てる行為」と批判した。改革案は定例会で審議。県議会と病院職員から承認を得られれば、移行作業に取り掛かる。

 一志病院の飛松正樹院長は「三重大の協力で、地域住民の健康問題を担う家庭医療という新分野に取り組んできた。さらに発展させたかったが野呂知事は経営面から判断したのだろう」と無念さをにじませた。

 (大島康介)

 

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