CNETさんも報じているように、米Googleのウェブスパムチーム責任者のMatt Cutts氏が、twitterにてGoogle Japan (google.co.jp)のPageRankを9から5に変更したことを報告しています。PageRankを変更した理由について言及していませんが、状況証拠的には、先日のPayPerPost利用によるサーチのガイドライン違反に対するペナルティと考えられます。
Google.co.jp PageRank is now ~5 instead of ~9. I expect that to remain for a while. mattcutts, twitter
※※ 以下、仮に原因がガイドライン違反(PayPerPostによる検索品質への影響)だと仮定した場合の話です。※※
身内であろうとガイドラインに違反した場合は公平な措置をとることでGoogleの検索への取組み、スパムへの厳しい対応という姿勢を明確に示したことになります。Matt Cuttsは、いつもウェブマスターに対してPaid Linksをやめよ、PayPerPostはルールを守れと再三にわたって訴えてきたわけで、身内だからと甘い対処では示しがつかないのでしょう。もっとも、Google JapanのPageRankが9から5だろうと、仮に0だろうと、インデックスに残り続ける限り実害はないので、どうでもいい話かも知れませんが。
また、今回はPayPerPostによって広告主(利用者)側であるGoogle Japanがペナルティ(PageRank変更=下落)※を課されている点にも注目です。
というのも従来、PayPerPostに限らずPaid Links(リンク売買、有料リンク)も含めて、金銭が絡むリンクの取引においてGoogleがペナルティを課す対象は販売側(参加者側)であることが通例でした。たとえばTechCrunchで紹介している事例も、ペナルティを受けたのは広告主ではなくプログラムに参加したブロガー側です。広告主が期待したSEO効果が得られないという点でコストは無駄になっていますが、広告主のPageRankは変更されていません。
GoogleはFAQにおいてリンク購入側・販売側双方にペナルティを課す場合があるような説明をしているものの、過去にウェブであげられた報告事例はいずれも販売側のお話でした。日本国内でリンク購入を現在も続けている広告主は、その根拠として「少なくとも購入側にはペナルティなさそうだから」と考えている人がいると思います。
しかし本件は、ペナルティを受けたのが広告主であるGoogle Japanです。私が知る限り、リンク取引のガイドライン違反で、広告主(購入)側がGoogleからペナルティを受けた、初の事例だと思います。単に私が事例を見落としていたという可能性もあるのですが、一応、多くの主要な検索系のブログやニュースは目を通していますし、この手の話題なら私のアンテナは間違いなくキャッチします(はず)ので、たぶん過去に報告事例はないです(あったらすみません)。
本来、金銭が絡むリンク取引はリンク販売側だけでなく購入側にもペナルティを課さなければスパム抑制の実効性がないことは度々、多くの専門家によって指摘されてきました。ただ、さすがにGoogleも購入側をいつまでも放置しないだろうと、いつの日か厳しく対処する日が来ると思っていましたが、(本件がPayPerPost利用を根拠としたPageRank変更であれば)まさか耳にする最初の報告事例がGoogle自身になってしまうとは。
※ 本文でいう「ペナルティ」の意味について:販売側のPageRank変更に伴うリンク価値の低下により、そこからのリンクによるメリットが享受できない/投下したSEOコストが無駄になるという意味で、それも一種の"ペナルティ"といえなくもないです。しかし、それでも広告主側のPageRankが変更されるわけではありません。本文でいう"ペナルティ"とはGoogleによって課された、広告主側のPageRankの手動変更という意味でとらえていただければと。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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