アルペンスキーの世界選手権最終日は15日、フランスのバルディゼールで男子回転を行い、前回大会5位で今季ワールドカップ(W杯)種目別4位のマンフレート・プランガー(オーストリア)が合計タイム1分44秒17で優勝し、五輪と世界選手権で全種目を通じて初の世界一に輝いた。
トリノ五輪覇者のライヒら強国オーストリアのチームメートが4人とも完走できず、最後のとりでとなったプランガーが頂点に立った。努力と辛抱の31歳は「ずっと夢見た瞬間だ。冷静さを失わずゴールまで降りてこられた」と感激に浸った。
オーストリアのコーチが旗門設定を担当した1回目にトップに立った。圧巻は2回目だ。W杯種目別首位のグランジェと、1回目に安定度の高かったブロレニウスが立て続けにコースアウトした直後。両脚の間隔を微妙に調節してバランスをとりながら序盤の難所を乗り切り、リズムに乗った。
2歳で初めてスキーをした。有名な国立スキー学校で英才教育を受け、基本をたたきこまれた。この日も、途中棄権が続出する難しい条件でスキーを走らせる技術を示した。
長い間、厳しい代表争いの当落線上にいた。五輪出場は、途中棄権した2002年ソルトレークシティー大会だけ。エースの看板を背負ったことがないベテランが、母国に男子では今大会唯一の金メダルをもたらした。(共同)