日米首脳会談が24日に開催されることについて、「できるだけ早くと申し入れている」(河村建夫官房長官)と早期実現を目指してきた政府は、ほっと胸をなで下ろしている。オバマ大統領との電話首脳会談が十数番目に回され、米国の新政権の日本軽視が懸念されていただけになおさらだ。ただ、政権の浮揚につながるかというと、そう簡単ではなさそうだ。
政府は、4月2日にロンドンで開かれる第2回金融サミットが「オバマ大統領と麻生首相の初顔合わせというのはちょっとまずい」(外務省幹部)として、米側に早期会談を働きかけていた。政府筋によると、麻生首相肝いりで1月に政府代表に就いた谷内正太郎前外務次官も水面下での調整に走った。
一方、自民党内からも「このままでは次期衆院選を戦えない」(中堅)という声が半ば公然と出ている中で麻生首相が人気が高いオバマ大統領と会うことで、「政権の健在ぶりを示す効果がある」(政府関係者)という狙いがある。
ただ、自民党には「外交は支持率向上につながらない」(幹部)との見方もある。平成元年2月、ブッシュ大統領(父)就任の1カ月後に会談した竹下登首相と、5年4月、クリントン大統領就任3カ月後に会談した宮沢喜一首相は、それぞれその4カ月後に退陣した。13年3月、ブッシュ大統領(息子)就任の2カ月後に会談した森喜朗首相は、1カ月後に小泉純一郎首相と交代している。
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