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GDP急落 危機への対応加速させよ

 内閣府が発表した二〇〇八年十―十二月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動を除いた実質で前期(七―九月期)比3・3%減、年率換算で12・7%減となった。日本経済が戦後最悪の不況に突入したとみられることが数字からも明らかとなった。

 約七年ぶりの三・四半期連続のマイナス成長で、マイナス幅は第一次石油危機の影響を受けた一九七四年一―三月期の年率13・1%減に続く約三十五年ぶりの大きさ。二けた減少は戦後二度目となった。

 〇九年一―三月期も大幅マイナスが続く見通しで、初の四・四半期連続減の可能性が高い。「戦後最大の経済危機」と表現した与謝野馨経済財政担当相の指摘は決して大げさではない。

 十―十二月期の実質成長率は年率換算で、米国で3・8%減、ユーロ圏十五カ国でも6%程度の減少で、日本の12・7%減という数字は先進国中でも深刻さが際立っている。

 最大の要因は、自動車や電子部品などの輸出が13・9%減と過去最大の落ち込みを記録し、日本を代表する有力企業が一気に経営不振に陥ったためだ。企業の設備投資は5・3%減少し、GDPの半分を占める個人消費も0・4%減った。

 米サブプライム住宅ローン問題が世界金融危機に発展した際には、日本の金融機関へのダメージは少ないと影響を楽観視する声があったが、実体経済の落ち込みは予想以上だ。外需依存から内需主導型経済へ転換の必要性が指摘されながら、構造的欠陥を解消できなかったつけが一気に噴き出したといえよう。

 〇二年から〇七年十月まで戦後最長の景気拡大を続け、企業は空前の利益を上げていたにもかかわらず、労働者の賃金が抑制され、個人消費が伸びなかったことも不況の直撃を受けた要因だろう。日本経済の脆弱(ぜいじゃく)さを是正しなければなるまい。

 ローマで開かれた先進七カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)で、七カ国は経済危機脱却のため追加歳出など財政出動について一斉行動することで合意した。手をこまねいていては各国から追加経済対策を求められることは避けられまい。

 政府、与党は〇九年度補正予算を視野に追加対策を打ち出す方針を固めたとされる。野党は反発しているが、事態は急を要する。雇用が一段と悪化する可能性も高まっている。与野党で議論を深めて、考えられる政策を総動員し迅速に対策を打ち出すことが肝要だ。


東京五輪招致 平和と環境で共感得たい

 二〇一六年夏季五輪開催を目指す東京など四都市が詳細な開催計画を記した立候補ファイルを公表した。開催都市が決まる十月二日の国際オリンピック委員会(IOC)総会へ向け、招致レースは一気に加熱しよう。

 東京の招致委員会が公表した立候補ファイルによると、第二次世界大戦後の平和と、環境最優先の五輪を強調するほか、五輪史上最もコンパクトな計画を打ち出している。東京の招致委員会会長を務める石原慎太郎知事は、ファイルの冒頭部分にあるIOCのロゲ会長にあてた書簡で「大戦の後自ら招いた戦争への反省のもと、戦争放棄をうたった憲法を採択し、世界の中で唯一、今日までいかなる大きな惨禍にまきこまれることなく過ごしてきました」と記し、平和憲法に触れる。

 環境面では、中央区晴海に新設する十万人収容の五輪スタジアムの屋根に太陽光発電パネルを設置し、電気自動車も導入する。最先端技術による環境対策で大会に伴って発生する二酸化炭素(CO2)以上の分量を削減する「世界初のカーボンマイナス五輪」を掲げている。

 平和や環境対策に力を入れる東京の大会理念は分かりやすい。五輪を通して平和憲法の意義や、最先端の環境技術が世界に普及すれば喜ばしい。五輪スタジアムを中心に半径八キロ圏内に大半の競技会場を配置するコンパクトな大会も東京の強みとなろう。他の立候補都市であるシカゴ(米国)、マドリード(スペイン)、リオデジャネイロ(ブラジル)との招致レースは厳しさを増そうが、堂々と渡り合ってもらいたい。

 懸念されるのは、五輪招致に対する都民をはじめとした国内世論が盛り上がっていないことだ。国民の支持がなければ他都市に後れを取ろう。

(2009年2月17日掲載)
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