中国国家発展改革委員会の張暁強副主任は英字誌「チャイナ・ブリーフィング」の最新号で、人民元相場について「中国経済は減速し、失業者は増えている。元の対ドル相場は(現在の1ドル=6.83元前後から)6.95―7元くらいまで下がる可能性がある」と指摘した。中国政府の高官が元相場の切り下げに言及したのは初めて。
中国政府はこれまで元相場を「均衡のとれた合理的な水準」(温家宝首相)で安定させる方針を繰り返し表明し、切り下げを強く否定してきた。
しかし、財政省の財政科学研究所は今月上旬にまとめた報告書で「元相場を6.93元前後に引き下げるべきだ」と提言。世界経済の低迷で輸出企業の経営は悪化が続いており、政府内には「元切り下げ論」がくすぶっている。
(北京=高橋哲史)
(17日 23:03)