記事の見出しへ

記事の検索へ

社会

戦前、戦中の「ラジオ塔」 明石に1基現存 

写真

現存するラジオ塔跡。全国でも十数基しか確認されていない=明石市相生町1、中崎遊園地

 太平洋戦争前から戦中にかけ、「ラジオ塔」と呼ばれるラジオ放送の音声を街頭に流した施設があった。全国の公園など計四百カ所以上、兵庫県内は少なくとも十七カ所が確認され、明石市内に一基が残る。NHKや自治体がラジオの普及を目指して設置したというが、戦後の街頭テレビと比べて資料が乏しく、全容は謎に包まれている。

 NHKの「放送五十年史」(一九七七年)などによると、ラジオ塔は一九三〇(昭和五)年、大阪・天王寺公園に初めて設置された。高さ約三メートルで、四方に窓がある。内部にスピーカーがあり、スイッチを押すと放送が十分間流れる。大相撲中継などは大勢の人が囲んで耳を傾けたという。

 国立民族学博物館客員教授吉井正彦さん(63)=西宮市=が二〇〇七年夏、明石市相生町一、中崎遊園地にあるラジオ塔を確認した。

 調べると、終戦までに四百カ所以上あったことが判明。県内では一九四二年当時、神戸・東遊園地や姫路・姫山公園、洲本・三熊公園など十七カ所にあったという。

 だが記録が残っていないケースが多く、使用時期や戦意高揚に使われたのか、終戦の玉音放送に活用されたのか-など未解明の点も少なくない。

 吉井さんは「自宅にラジオを置きたいと思った人は多かったはず。今後も調査を進めたい」と情報提供を求めている。

 国立民族学博物館先端人類科学研究部TEL06・6878・8275

(井原尚基)

(2/17 14:26)


【おでかけQ&Aサイト】
 「おしえて 神戸」はこちら
 「おしえてジャズ」はこちら NEW


【生活情報Q&Aサイト】
 「コミミ」はこちら

神戸洋菓子職人Live! VISSEL兵庫の高校野球編集局から 読者から地才地創みんなの子育て スキップ21
47NEWS 参加社一覧
北海道新聞  |  室蘭民報  | 河北新報  | 東奥日報  | デーリー東北  | 秋田魁新報  | 山形新聞  | 岩手日報  | 福島民報  | 福島民友新聞  | 産業経済新聞  | 日本経済新聞  | ジャパンタイムズ  | 下野新聞  | 茨城新聞  | 上毛新聞  | 千葉日報  | 神奈川新聞  | 埼玉新聞  | 山梨日日新聞  | 信濃毎日新聞  | 新潟日報  | 中日新聞  | 中部経済新聞  | 伊勢新聞  | 静岡新聞  | 岐阜新聞  | 北日本新聞  | 北國新聞  | 福井新聞  | 京都新聞  | 神戸新聞  | 奈良新聞  | 紀伊民報  | 山陽新聞  | 中国新聞  | 日本海新聞  | 山口新聞  | 山陰中央新報  | 四国新聞  | 愛媛新聞  | 徳島新聞  | 高知新聞  | 西日本新聞  | 大分合同新聞  | 宮崎日日新聞  | 長崎新聞  | 佐賀新聞  | 熊本日日新聞  | 南日本新聞  | 沖縄タイムス  | 琉球新報  | 共同通信