2009年02月17日

第475話「運命の大学受験Ⅶ」

テーマ:運命の大学受験

高校生編非公開部分 及び 美沙最終章『天使の唄』が
電子書籍で閲覧が可能になりました~♪


こちからご覧くださいませ。


【外伝シリーズ】

浅井武勇伝 / さくら雪(美沙)
12/20(土)更新第5話

BGM(PC限定)


。・。・゜★・。・。☆・゜・。・゜


最後の家庭教師。

試験を明日に控えて、
今更なにを慌てて勉強するんだよ?

と思う人、きっといますよね?

実際、塾の生徒(受験生)のなかにも、

「本番の1日前に、ジタバタしたってしょうがないじゃん、
ゆっくり休んで試験に備えるほうが大切だよ」

な~んて偉そうに御託を述べるバカもいました。



でも俺は…

それは違うと思ってます。



本番の1日前だからこそ…
記憶が新鮮なまま残るわけじゃないですか。

勉強しないなんて勿体無いでしょ?

可能な限り悪あがきして、
合格に貪欲にならなくてどうすだっつうの。


だから、この日は、静香の多々ある弱点分野を
俺の帰る時間のギリギリまで叩き込んでやりましたぜ。







うん…


やれるだけのことはやった。


俺の出来ることは、全部やった…と思う…



ため息をついたオッサンは…

静香の解き終えた答案用紙を見ながら、
一人、シミュレーションです。



第1志望校の過去問は、
未だに6割とるのが精一杯だけど、

第2志望のほうは、
うまくいけば8割ぐらいとれるかもしれない。




そうすれば…




あとは英語次第でなんとかなる…

かも…しれない…(汗)




ちなみに…


「うまくいけば」っていうのは…

静香の苦手な分野があんまり主題されなくて、
そんでもって、静香が緊張することなく落ち着いて解いて、
そんでもって、静香が計算ミスとか全然しなくて、
解ける問題をきっちり解いて、

えっと…それから…


























って奇跡でもおきねぇと
ほとんど無理じゃねぇか…(汗)
ヽ(;´Д`)ノ






あ~ん。空しくなっただけ~(汗)



いかんいかん。

静香がまたやる気をだして
受験してくれる気になってくれただけで、
ありがたいはずなのに、

余計なことを考えるんじゃないっつうの。

このバカオヤジッ!!














って、一人ボケツッコミは置いときまして…(汗)




「じゃあ、さすがに遅いから、そろそろ俺、帰るわ」


筆記用具をカバンにしまいながら言うと、


「今日は遅くまでありがとうございました…」



頭をペコリと下げる静香ちゃん。



なんか…

どう違うっていうのかは、言葉にはしにくいんだけど…

いつもとはなんか違うっていうか、
妙にすました感じなんですよねぇ…






「な、なんだよ、なんか気持ち悪いなぁ」


反応しづらくて、
ちょっと冗談っぽく笑いながら言うと、




静香は…




俺の冗談に表情を変えることもなく、

真面目な顔つきのまま、






「私…

明日と明後日の試験、頑張るから…


私自身のためにも…

せんせぇのためにも…

必死で頑張るから…」





大きくて透き通った黒い瞳で…

俺を見据えてきたわけであり…







「私…

絶対合格してみせるから。

他のとこ落ちても、
第1志望にさえ合格すれば、
お父さん、約束守ってくれるはずだから…



だから…


絶対合格してみせる。

私のこと信じて待ってて」








こんな彼女を…


今まで見たことあっただろうか。




自信なんて一欠けらも持ち合わせていないような、
消極的な子の象徴のような彼女が…

こんな風に堂々と合格宣言するなんて、
夢にも思わなかったっていうか…



っていうか…


やっぱり静香は俺のこと…



想ってくれてたのかって…







リリィのことで、あんなに傷つけたのに…


俺のことを許してくれて…


まだ俺と一緒にいたいって想ってくれてるのかって…

































思わず、彼女を抱きしめていた。





「せ、せんせぇ?!」



咄嗟のことに、驚きの声を漏らした彼女だったけど…


すぐに…



「せんせぇ…
せんせぇの匂いだ…」




彼女も俺の体に腕を回して
抱きしめてくれたんだ。



未だに服の上からしか触ったことのない彼女の体。

だけど、もう何度も何度も抱きしめてきた愛する人の体。

小さくて、細くて、柔らかくて、女の子特有のいい匂いをさせる体。




何度触っても、本当に嬉しかった。


静香のことを、本当に愛しているだな、って実感した。









そして…




















彼女のことを絶対に手放したくないって…



思ったんだ…

































「静香…

お前が合格したら…

第一志望に合格したら…」




「うん?」




「俺…


























お前にプロポーズするから。
もちろん本当に結婚するのは、
お前が大学を出てからになるけど、

でも…
結婚を前提に正式に交際させてくれって、
改めてお父さんにお願いするから」




「え?」








一瞬、その場が凍りついたようにシーンとなり、

まるで時が止まったような錯覚。



口をぽかんと開け、驚きを隠さない彼女に、

ちょっぴりお怒りのオッサンです。





「なんだよ、『え?』って…(汗)
俺と結婚するの嫌なのかよ…」



素直に「やった~♪」って喜んでくれるって思ったのに、
なんだよ、その反応は。

オジサン、勇気を振り絞っていったのに、
凹んじゃうじゃねぇか…


と、ぐちぐち拗ねてると…







「ご、ごめん…
そうじゃないよ。そうじゃなくて…」




「じゃなんだよ…」



「まさか…
今、そんなこと言われるとは思ってなかったから…

ビックリしすぎちゃって、
頭が真っ白になっちゃっていうか…」






静香は…



一旦、抱き合っていた俺から体を離すと、
少し大げさに深呼吸を始めてさ…



すーはー。


ハッキリ聞こえてくる彼女の吐息が
彼女の緊張までヒシヒシと伝えてきたわけで…


2~3度、大きな深呼吸を終えたあと、





「せんせぇ」



と、俺を呼んだあと…



「嬉しいよ。すっごく嬉しい。
こんな嬉しいこと、人生で初めてだよ。

ありがとう…

ホントにありがとう…」








そして…








再び、俺の胸に飛び込んできたわけであり…







愛おしかった。


これほどまで愛しい彼女を手放せるはずがない。




彼女がいない人生なんて…

俺の人生じゃない。

















だから…





胸の中の彼女にこう言ってやったんだ。








「静香…」



「はい」



「お前にプレッシャーをかけると嫌だったから、
今まで絶対言わなかったけど…」



「うん」



「明日は死ぬ気で頑張れ。
どんなことがあっても絶対合格しろ」






する彼女は…




堂々と…

自信満々の笑顔で言ってくれたんだ。












「分かってるって。
静香ちゃんを信用しなサーイ♪」













このとき…


















俺たちは間違いなく幸せだった。










愛させあれば…


どんなことでも乗り越えていけるって
理由もなく信じていた。



これだけ想いあってある俺たちの仲を、
いくら神様だって裂けるはずがない。


都合のいい理屈ばかり考えてた。




俺たちの夢は絶対に叶うって信じてた。






































夢は…



































現実にならないからこそ…





美しく儚いんだってことを
なにも分かっちゃいなかったんだ…
























家に帰ったあと…


お互いの想いを確かめ合うことができたことに、
幸せを満喫しながらベッドに入った俺は…



まさか、まもなく…











生きてきたことすべてを…

俺の人生そのものを後悔するような運命が
待ち受けていようとは知る由もなく…
















静香、頑張れ…





夢の中で、静香に応援を送っていました。




次回も…

24時間期間限定公開です!!

お見逃しなくっ!!!






【問題】
智恵に聞いてみたんです。
「優香、どうするつもりだって?
大学全部落ちて、これからどうする気だよ…
どっか専門学校とかに行く気もないのかな?」
すると、智恵が言いました。
「それがね、あの子ったら…」



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