1997年から続く「給料デフレ」―日本人の貧富拡大
「年齢・役職・学歴・会社別」4000万人全データ【1】
日本のサラリーマンの平均年収は、ずるずると減少を続けている。
プレジデント編集部 面澤淳市=文 ライヴ・アート=図版作成
一口に「格差」といっても実際には様々なものが存在する。男女格差、年齢格差、役職格差、そして学歴格差……。その実態を具体的なデータから明らかにする。
日本のサラリーマンの平均年収は、ずるずると減少を続けている(図参照)。分水嶺はやはり“あの年”だった。
1997年。大手金融機関の北海道拓殖銀行と山一証券が相次いで経営破綻し、日本経済が石油危機以来、初めてのマイナス成長に陥った年である。
国税庁の「民間給与実態統計調査結果」によると、97年に467万3000円だった平均年収は、2006年には434万9000円へと32万4000円、7%も下落した。
日本企業はこの間、生き残りのためになりふり構わず人件費の圧縮を進めてきた。賃上げを抑えるだけではなく、正社員の採用を減らし、その分を派遣やパート、請負などの非正社員に置き換えることで低コスト化を実現した。その効果によって企業業績が回復し、工場の国内回帰の流れが定着したのも事実である。
しかし半面では、個人の財布にお金がまわらなくなり、われわれ日本人は、好景気でありながらその恩恵をあまり実感できないという、奇怪な状況に置かれることになった。しかも米国のサブプライムローン問題を発火点とする世界経済の変調から、「いざなぎ超え」といわれた好景気もここへきて先行きが怪しくなっている。
面澤 淳市
めんざわ・じゅんいち●1964年、茨城県生まれ。水戸第一高校、法政大学法学部卒。雑誌「財界」などを経てプレジデント編集部へ。著書に『東芝』『ソニー「プレステ2」のマルチ情報革命』など。
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