民主党の小沢一郎代表は17日夜、クリントン米国務長官と都内のホテルで会談。米国務長官が野党党首と個別会談するのは異例だ。小沢氏は米国の単独軍事行動主義に異論を唱えているが、在日米軍再編や中東政策などをめぐる突っ込んだ議論は控え、政権交代をにらんだ「顔合わせ」にとどまるとの見方が強まっている。
会談について小沢氏は17日昼、福岡市内で記者団に「私から面会を申し入れたわけではないので、私から話すことはない。向こうが意見を聞きたいということなら言う」と語った。15日には、民主党が掲げる在日米軍再編の見直しを会談で言及するかを記者団に問われ「私どもはまだ野党だから。米当局も個別の問題について話そうということではないと思う」と述べた。
小沢氏は、米側から持ちかけられた会談をいったんキャンセルした。その後、山岡賢治国対委員長が会談実現に動き、図らずも今回の同長官の来日中の会談相手で“トリ”を務めることになった。対応が揺れた理由について小沢氏は15日、「選挙活動の方が大事だ。彼らだって大統領選の時は選挙一色だ。『夜でもいい』とまで配慮して会いたいというなら断る理由はない」と語っていた。
小沢氏は最近、「日米同盟は大事だが、オレは米国を信用していない。米国はいろいろ負担を求めてくるだろうが、迎合してはだめだ」と周囲に語っている。12日収録のラジオ番組では、オバマ政権のアフガニスタンへの米軍増派の方針について「いくら兵隊を派遣したって勝てない。ベトナム(戦争の経験)で分かっている」と民生支援重視の持論を展開した。
ただ、同党幹部は「具体的な中身のある会談にはならない」としており、歯にきぬ着せぬ“小沢節”は封印される可能性が強い。
【関連記事】
・
クリントン米国務長官 明治神宮を訪問
・
麻生首相「対話はいいこと」 小沢・クリントン会談で
・
小沢氏がクリントン氏と会談へ
・
クリントン長官 小沢代表との会談希望
・
【土・日曜日に書く】中静敬一郎 日米同盟と小沢プロブレム