【ローマ=藤田剛】中川昭一財務相は13日、国際通貨基金(IMF)のストロスカーン専務理事と会談し、IMFに最大1000億ドル(約9兆2000億円)の資金支援を行う合意文書に正式に署名した。中川財務相は「IMFが金融危機で重要な役割を果たすために有効活用してほしい」と要請。ストロスカーン専務理事は「過去に例のない最大の貢献」と感謝の意を表明した。
IMFに対する資金支援は、昨年10月に日本が提案した「国際金融安定化のための緊急融資構想」に基づく措置。日本は外貨準備から最大1000億ドルをIMFに貸し出し、IMFはこれを新興国向けの緊急融資の原資に充てる。
金融危機に伴う外貨の流出などで資金不足に陥り、IMFの資金に頼る新興国が増加している。IMFは今後、新興国への緊急融資を拡充するため、日本以外の先進国にも資金支援を求めていく方針だ。
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