非正規労働者が2・13大行動
今日は2・13中央行動でした。全国から仲間が集まり、農民や商工業や、公務労働者も民間労働者もみんな一緒に、約1万人が政府や日本経団連に「非正規切り」をやめろ、「雇用を守れ」などの要求を掲げ、集会や行動を行いました。
非正規センターは宣伝行動や厚生労働省交渉、日比谷音楽堂でのコア集会の参加、銀座パレード、日本経団連行動に約800名が参加しました。
厚生労働者、コア集会では非正規センターから東大阪働く仲間の会の南幸子さんが訴えを行い、参加者から大きな激励を受けました。
以下に南さんの訴えを掲載します。
みなさん、こんにちわ、大阪から参加しました南幸子です。
私は東大阪市にあるケーブル工業(株)という会社で、フルタイム、期間の定めのないパート労働者として、5年8か月勤務したいました。ケーブル工業はデンソーの下請けで、自動車関連の部品を作っている会社です。
昨年の12月2日、突然、会社の会議室に呼び出され、注文が大幅に減ったので、12月26日で解雇しますと通告されました。解雇通告された瞬間、頭の中が真っ白になりました。
私は57歳です。会社も創業57年です。会社は私の生まれた年の創業です。私はそんな会社に愛着を感じていました。仕事のほうも、会社で一人だけ細かいハンダ付けを任されていました。私が作った部品がトヨタ車の2万個ある中のひとつであることをトヨタ車を見るたびに誇りに思っていました。壁に向かってもくもくと働いてきたことを「コミュニケーション不足」と言われ、深く傷つきました。私は一人暮らしです。相談相手もなく解雇されたのは自分に悪いところがあったのではと自分を責め、涙が止まりませんでした。そんなとき、解雇された仲間から、労働組合のことを聞き、労働相談に行き、労働組合の方から「南さんが悪いのではない、会社に問題がある」と言われ、整理解雇のことを初めて知りました。
5人の仲間と東大阪地域労組「働く仲間の会」に加入し、3回の団体交渉を行いました。でも、会社は私たちの要求である、解雇撤回と職場復帰はかたくなに拒否しました。正社員と同じ仕事をし、残業があれば残業もし、会社に協力してきましたが、5年間年収は190万円を超えることはありませんでした。
私たちは労働組合の方々に、「生活と権利を守るのはたたかって勝ち取る」ことを教えていただきました。私たち5名はたたかいます。皆さんのご支援をよろしくお願いいたします。本日はどうもありがとうございました。
日本の派遣労働者の待遇を先進国並に引き上げようとする場合以下の問題がある。
① 同一労働同一賃金の原則が満たされていない。
② 正社員の解雇規制がとても厳しい
①については、同じ業界であっても賃金体系が違うという国情がある。
家電だとソニー、パナソニック、シャープでそれぞれ異なるだろうし、自動車だとトヨタ、マツダ、ホンダでも違うだろう。
こうなると国家公務員にでも派遣社員の賃金を合わせるしかない。
問題は②で、どこまで正社員の解雇規制が緩められるか。
もちろん正社員の解雇規制を緩める代わり、企業間の流動性を高める、高度な再教育を受けられやすくするなどの正社員システムの改革が必要だろう。
企業の寿命が短くなってくると終身雇用も難しくなってくるので、正社員のシステムの改革はこの点からも必要だろう。
いずれにしても現在の極端に非人間的なハイリスク、ローリターンな派遣制度が続くなら際限なく派遣労働が広がってしまう。
間もなく20代の正社員はほとんど姿を消してしまい、いつか正社員がいない社会になってしまう。
投稿: 売られちゃん | 2009年2月13日 (金) 19:22
日本の雇用制度は在職者は過剰保護してきたが、失業者、転職希望者には厳しかった。
日本は地下資源に恵まれていないし、国土も狭いため農作物の輸出で稼ぐ事もできない。
工業、その他の先端産業で稼ぐしかない。
従って、失業者には高度なスキルを授ける教育を用意しなければならない。
ゴールドメダリストが次回のオリンピックでもメダルを目指すには現状以上の技術を身につけないと入賞もできないのと同じ事だ。(体操の選手など特にそうだろう。)
そして基幹産業や競争力のある産業、成長産業に再投入する。
このような戦略がなければ、日本は今にサミットからも閉め出される。
派遣労働者を専門職種に限るならば、国としてこれらの専門職者にも再教育、再強化のプログラムを考えなければだめだろう。
投稿: 売られちゃん | 2009年2月14日 (土) 10:00
先日、不況のために刑務所の仕事が激減している、というニュースを見た。
仕事がないからと言って、受刑者に仕事探しに外へ出すわけにはいかない。
結局刑務所内で食って生きていくことに代わりない。
特定派遣社員もこれに似ている。
派遣先がなくても、給料や賞与が出る。
ただしその状態が定年まで続くことはないし、今のような不況では派遣契約を解約されたら、間もなく解雇ということになる。
私もその一人だ。
会社側が会社都合退職にしてくれるということで、受け入れることにした。
もちろん退職金は自己都合時より多くなる。
ところで今日自民党でも製造業派遣「登録型」禁止を検討というニュースを見た。
この製造業派遣というのは工場労働者いわゆるブルーカラーだけのことだろう。
プログラマ、エンジニアなどの専門職の派遣は含んでいないはずだ。
登録型禁止はいいが、禁止の対象となった労働者の今後はどうするのだろう。
製造業派遣46万6000人のうち登録型は17万8000人らしい。
残りの28万8000人は特定派遣社員というよりは請負会社の社員だろう。
この中には正社員もいれば契約社員もいるはずだ。
もちろん彼らも「請負切り」の後で、会社から解雇され地元の地域労組などの駆け込み寺にやってきている。
この不況下では派遣先など見つからないから登録だろうが、常用(特定)だろうが関係ない。
皆失業していくだけだ。
そもそも常用臨時社員(常用派遣社員)というものがフルタイムパート労働者と同じで矛盾した存在だ。
いつも登録型派遣の問題にばかり目が行ってしまい、日本の雇用システム全体の改革が必要だということに気づいていない。
今後大量に発生してくる失業者の再教育、再強化による製造業の建て直しを計らなければ、景気回復後に一気に日本は他の国から引き離されてしまい、後進国に転落する。
若年層の労働者の中での派遣・請負労働者の比率が50%を超過するようになったら日本のスラム化は急速に進行するだろう。
投稿: 売られちゃん | 2009年2月14日 (土) 15:17
特定(常用雇用)派遣会社の商品は自社の正社員だ。
企業向け商品Aをレンタルする会社Xを考えてみよう。
好況ならXはAを多く仕入れ企業にばらまく。
不況になれば多くのAが「不良債権」化してしまう。
Aの保守には莫大な費用がかかるとしたら、Xはすぐに大量のAを処分しなければならない。
倒産の可能性が出てくるからだ。
ここでXが特定派遣会社だとしたら、AはXの社員であり、大量に解雇しなければならなくなる。
ところが日本では正社員の解雇規制が特別に厳しい。
X社はすぐに経営危機に見舞われる。
これも日本の派遣制度のお粗末さである。
このようなことも考えずに、特定派遣は社員が常用雇用だから安心というのでは、政治家も労働団体も無責任としかいいようがない。
投稿: 売られちゃん | 2009年2月14日 (土) 21:58
コンサルタントの城繁幸さんが、あるサイトで企業の内部留保について次のように発言していた。
(引用開始)
では一兆円とも二兆円とも言われる(トヨタの)利益はどこへいったかのか。答えは簡単。生産設備・研究開発への莫大な投資である(08年度予算での設備投資額は1兆4000億)。
(引用終了)
私ら派遣のプログラマ、エンジニアの食い扶持はこの設備・開発投資から出ている。
これを無視して内部留保を派遣切りされた工場労働者の食い扶持に回せ、というなら私どもは蚊帳の外に置かれたまま労働運動が進められていることになる。
派遣法施行から約四半世紀も経つのに、最近になって派遣労働を問題にするから地に足がついた思考ができない。
あっちを良くすれば、こっちが損するの繰り返し。
議会制度も民主主義も日本人が考えたものではない。
行き詰ったときは、他の先進諸国を観察すればいいだろう。
日本人だけで議論していては、21世紀型封建制度ができるだけだ。
中谷巌先生が、「北欧型の高度な職業訓練システムだ」と主張されているのがいいサンプルだろう。
政府や連合の言ってることと比べて雲泥の差だ。
投稿: 売られちゃん | 2009年2月15日 (日) 14:26
非正規労働者2・13行動のニュースでデンソーの下請け会社を解雇された南さんの主張が取り上げられていた。
私はある地域労組の役員を10年近くやってきたので一言言いたい。
終身雇用(正社員だけだが。)がまともに生きていた時代は終わった。
今後はいつ、どこで解雇、退職勧奨が行われてもおかしくない。
そんなときは一人では何も解決できない。
企業内組合など当てにならない。
いざというときは弁護士に相談するか、地域労組など個人加入できる組合に頼るしかない。
そのことを考えてなるべく地域労組などに加入しておくことをお勧めする。
投稿: 売られちゃん | 2009年2月15日 (日) 15:00
地域労組には解雇、退職勧奨、またはモラルハラスメント問題で加入してくる人が多い。
もちろん労組はこれらの問題に対応するわけであるが、個々の問題解決の一方で、労組の活動の方向も考えないといけない。
地域労組の頑張りで解雇が難しくなれば企業側としては、派遣、請負などの外部労働者に頼らざるを得なくなってくる。
地域労組の雇用問題解決の実績が上がれば上がるほど、企業は正社員を雇いづらくなってしまう。
地域労組の組合員はこのことを意識してほしい。
私も10年近く、関係する地域労組や県労連で派遣問題や偽装請負について訴えてきたが、ほとんど理解が得られなかった。
最近は関心を持つ人も増えてきているが、先日の投稿で述べたように、理解が浅いため地に足がついた考えができていない。
投稿: 売られちゃん | 2009年2月16日 (月) 14:57
最近派遣法廃止の動きが目につくようになった。
派遣法が問題だらけの法律なので廃止するという考えがあってもおかしくないが、派遣法を廃止しても、アウトソーシングなどの形態で派遣労働が残ることは忘れてはならない。
派遣法をなくすことと派遣をなくすことは別である。
実際欧米でも派遣を廃止していない。
ただ日本ほど正社員と派遣社員の差別が酷くなく、派遣が急増するという事態も起きてないということだ。
これはやはり日本の正社員システムがおかしいからだろう。
社員の転職が簡単でなく、「中途採用」という言葉が存在する。
新卒者の一括採用以外で、社員を採用するのが例外という異常な鎖国システムだ。
正社員とは使う側にとって本来都合の良いシステムだったはずだ。
北欧型の高度な職業訓練システムを導入し、失業者、転職希望者が休職中にスキル開発を行い、より高給の取れる職につけるシステムが導入されたらどうだろう。
評判の悪い企業からは社員は次々と去って行き、評判のよい企業には人が集まっていく。
社員も会社のツールというだけでなく、客として尊重される面も出てくる。
人材獲得のために経営者も努力を要求される。
このような正当な競争を避けるために今の正社員システムが導入されたような気がする。
投稿: 売られちゃん | 2009年2月17日 (火) 11:29