次回、2月17日の放送は
FILE062:「芸術は“カラダ”だ」
布施英利(美術解剖学)
美術解剖学とは、人体をとおして“美”を発見し、造形活動に生かすという芸術家のための学問だ。布施英利は、この知見を駆使して、芸術を“体の感覚”を通してとらえることを提唱。そこから「ヒトとは何か」まで知る生きた学問として、美術解剖学の新たな意味と可能性を探り続けてきた孤高の研究者である。
東京藝大で美術解剖学を学んだ後、東大医学部の養老孟司研究室で助手を務め、動物から人体まで数百体を超える解剖を行った布施。実践的な解剖学を通してつかんだのは、芸術作品で表現される人間を、内部の身体の構造から見る独特の感覚だった。この感覚を武器に、布施は、世界的名画『モナリザ』をはじめ、数々の芸術作品の価値を読み解いてきた。
芸術を通して“体の感覚”に目覚めることは、ヒトをヒトたらしめているものに気づくことでもある。布施は芸術の価値と永続性をそこに求めている。これに対して、芸術の価値に疑問を抱き続ける爆笑問題の太田。芸術とは何なのか?気鋭の美術解剖学者と爆笑問題が徹底的に語り合う。
次回放送の研究者は
布施英利(ふせひでと)
1960年生まれ、48歳。中学校の理科教師だった父の影響で幼い頃から自然に親しみ、高校では地学部に所属。東京藝術大学美術学部・大学院にて美術解剖学を学び、東大医学部助手(解剖学)、美術評論家を経て現職。大学院時代、『脳の中の美術館』を発表後、『ハイパーアートの解剖学』『体の中の美術館』などを著し、新しい芸術の視座を提示してきた。美術解剖学を「ヒトとは何かを考える究極の学問」と位置づけ、精力的に研究・執筆活動をこなす孤高にして気鋭の美術解剖学研究者。
次回予告
2009年2月17日 放送
FILE062:「芸術は“カラダ”だ」