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採血基準の見直しなどを提言−厚労省検討会

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 厚生労働省は2月17日、「献血推進のあり方に関する検討会」(座長=清水勝・西城病院理事)の第5回会合を開き、男性の400ml献血実施の下限年齢の引き下げなど採血基準の見直しや、若年層への効果的な献血啓発策などについて提言する報告書をまとめた。

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 検討会は、若年層の献血離れで将来の安定的な血液の確保が懸念される中、効果的な普及啓発方法などについて検討することを目的に設置された。
 議論の過程では、インターネットやラジオなどメディアの効果的な活用や、低比重のため献血できなかった人への栄養指導による献血推進などの案が出されていた。
 また、高校の集団献血での「献血体験」が、献血の継続の上で重要だと推測されるとして、医療機関でのニーズが高い400ml献血の下限年齢を18歳から16、17歳に引き下げるなど、採血基準を見直す必要性が指摘されており、ワーキンググループが検討を進めていた。

 17日の検討会ではまず、ワーキンググループが400ml献血の下限年齢の引き下げについて、「16歳男女と17歳女性については引き続き検討が必要だが、17歳男性への年齢下限拡大は可能と考えられる」などと報告。血小板成分献血の採血基準についても、男性は現行の54歳から69歳まで引き上げ可能と考えられるとした。ただし65−69歳の人については、60−64歳の間に採血が行われた人に限るとした。また採血基準項目について、安全性の観点から、400ml全血採血での男性の血色素量最低値を12.5g/dlから13.0g/dlに引き上げることを提案した。
 これらの報告を委員らが了承し、採血基準の見直しが報告書に盛り込まれた。

 その一方で、報告書では200ml献血について、医療機関側の需要が大幅に減少しているものの、献血者数は2007年の時点でも全体の11.8%を占めるなど、「400ml献血のみでは需要を満たせない事態も予測される」として、200ml献血の献血者は必要だと指摘。その上で、「若年者における採血基準の見直しを含めて、学校教育における啓発の浸透状況や献血環境の整備状況を踏まえて検討していくべき」とした。

 検討会がまとめた報告書は、3月10日に薬事・食品衛生審議会血液事業部会に報告される予定。

■献血の効果的な啓発なども課題
 報告書には、採血基準の見直しのほか、献血の効果的な啓発や献血環境の整備についても盛り込まれた。
 若年層に対する献血啓発の在り方では、ネットやラジオなどメディアを通じた広報を繰り返し行っていくべきとされたほか、学校の授業で献血の意義や重要性について伝えられるよう、教科書に献血について盛り込んだり、血液事業関係者による「献血出前講座」を行ったりするなどの案が示された。また、音楽イベントなどを活用したインパクトのある啓発活動が、「献血未経験者の若年層に協力を呼び掛ける手段として有効と考えられる」とした。このほか、献血で提供された血液が医療現場などでどう役立てられているかを伝えることが献血への意識を高める上で重要だとして、「受血者(患者)の声」を献血推進に生かす方策を検討する必要があるとした。
 
 献血環境の整備については、子育て中の人でも献血しやすいよう託児体制の整備を図ったり、低比重のために献血できなかった人への栄養指導を行うことで、以後の献血につなげたりするなどの案が示された。また、地域コミュニティーの変化や高齢化などにより、かつて地域に存在していた献血推進の「世話役」が不在になっている場合があり、以前より地域での献血が活発ではなくなっているとして、「地域での献血で自主的に一定の役割を担うボランティア団体の育成や、活発に活動できる地域組織との連携が重要」とした。

 このほか、「若者の中には、精神的に不安定であるにもかかわらず献血に訪れ、倒れてしまう人もいる」「献血に訪れた若者の(精神的、体力的な)状態などを適切にヒアリングできるようにすることが必要」との意見が出たことを踏まえ、献血時の問診の在り方などが今後の検討課題として盛り込まれた。


更新:2009/02/17 20:46   キャリアブレイン

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