引きこもり:イタリアでも急増 日本を例に有力紙が特集

2009年2月17日 19時57分

 【ローマ藤原章生】イタリアの有力紙「コリエレ・デラ・セラ」が同国で目立つ「引きこもり」を特集した。相談に来る親が急増しているという精神科医らの証言を基に、原因を探っている。

 記事(11日付)は「イタリアの引きこもり(hikikomori)、東京のよう、何年も孤立する少年たち」と題され、社会面に大きく掲載された。刀を持った日本人の少年が乱雑な部屋でくつろぐ姿をイメージ写真として使っている。

 ミラノ発の記事で、「昼は寝て、夜に冷蔵庫をあさり、インターネットと漫画だけの生活」、「過去半年、親に話したのは『ほっといてくれ』の一言」と約10人の事例を紹介。相談を受ける複数の精神科医が「100万人を数える日本ほどではないが、外のひどい世界から逃れ、閉じこもる子が多い」、「頭が良く創造性があるが内向的な10代に多い」と特徴をまとめている。著名な精神分析医が「私が知る事例では、過去2年で5倍に増えた」とその広がりを強調する。

 要因としては「母親との密着や過保護が、自己愛の強い、もろい子にしてしまっている」、「日本では厳しい学校制度、親の過剰な期待が一因だが、イタリアでは学校で(友達)グループとの関係を築けない子の逃避が多い」などとまとめている。対策として「子が小さい時から、共によく遊び、一緒にいて、時に外に一人で出し、自己評価の高い子に育てなければならない」と結んでいる。

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