対日アプローチ強化へ=「領土」は切り離しか−ロシア
【モスクワ16日時事】ロシア極東サハリン(樺太)の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」で18日に行われる液化天然ガス(LNG)製造施設の稼働式典で、ロシアは経済協力を軸に対日アプローチを強化する方針だ。しかし、懸案の北方領土問題では、人道支援やビザなし交流による日本の訪問団への出入国カード提出義務付けなど実効支配の強化を進める構えで、経済協力と領土問題を切り離す動きも見せている。
サハリン2でロシアは初のLNG製造施設を持ち、日本を含むアジア・太平洋の天然ガス市場に初めて参入する。金融危機の影響で不況に沈む極東・東シベリアにとって、日本の存在は重要性が増しており、ボロダフキン外務次官は1月の日ロ次官級協議で「日本との経済協力は極東・東シベリアに重点を置いて進めたい。先端技術や付加価値の高い技術を重視する」と述べている。
一方、領土問題でメドベージェフ大統領は昨年11月のペルー・リマでの麻生太郎首相との会談で、「次世代に解決をゆだねるつもりはない」と述べ、解決に意欲を示した。しかし、ロシア側は双方に受け入れ可能な解決を目指し、極端な立場を離れるとの原則も掲げており、「日本が従来通り、4島返還を主張していては解決は困難」(外交筋)との立場を示す。
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