2009年2月17日 14時35分更新
岡山弁護士会に所属する弁護士が、国選弁護の報酬を水増しして請求し不正に受け取っていた問題で、制度を運営する日本司法支援センターの審査委員会は、今後、3年間国選弁護を担当できない処分にすることを決めました。
岡山弁護士会に所属する黒瀬文平(67歳)弁護士は、起訴される前の容疑者が国の費用で弁護士を依頼できる制度を悪用し、容疑者と面会した回数を20回以上水増しして、報酬を実際より30万円あまり多く受け取った疑いがもたれています。
弁護士を派遣する日本司法支援センター=いわゆる法テラスの審査委員会は、黒瀬弁護士本人などから事情を聞いて調査を進めていましたが、報酬を不正に受け取っていたことが確認できたとして、もっとも重い3年間、国選弁護を担当できない処分にすることを決めました。
処分の内容は今後、黒瀬弁護士本人に通達されることになっています。
起訴される前の容疑者が国の費用で弁護士を依頼できる制度は、逮捕された直後にうその自白を強要されたりするのを防ぐため3年前に始まり、裁判員制度が始まることし5月からは対象事件が拡大され、件数がこれまでの10倍以上に増えるとみられています。
その一方で、報酬はこれまで弁護士の請求を信用して支払われていたことから、法テラスは今回の不祥事を機に、ほかにも不正な報酬の請求がないか調査を進めています。