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February 17, 2009
ADAの通販禁止措置について 後編・この措置に対する私の考え編
今日の記事は、できるだけ私が思っていることを素直に書きたいと思います。
あんまりそう思われてないかもしれませんが、これでもけっこうブログでは書きたいことを抑えて書いている場合がそれなりにあります。
でも今日はできるだけズバズバと書いてしまおうと思います。
少なくともブログ記事が元で失う大切なものは何もないと思ってます。
この程度で失うものなら、別にいらないよ、と割り切ってます。
だからと言って感情には流されないように気をつけますけれども。
まぁたまにはコメント欄が燃えたぎったりするのもありかなとか思ってますので、思いの丈をぶつけていただいても構いませんよ。
余程のことがなければコメントは消しませんが、余程のことがあれば消しますw
文字ばっかりでとんでもなく長くて、他の方がもう言っているような事を繰り返したり、文章の流れもおかしいところがあるかもしれませんが、お付き合いいただければ幸いです。
ADAの通販禁止措置については既にかなりたくさんのところで話題になっていて、そんな時、私はサーバー障害にアタフタしててすっかり出遅れた感があるのですがw、今だからこそ色々な方の意見も耳にしたことを踏まえつつも、なるべく冷静に自分の意見を書いてみようと思います。
さて、今月も某所よりアクアジャーナルが送られて来ました。もちろん買ったものです。
「某所」って書いたのは、やっぱり送ってくれた方にはお世話になっているため。
通販禁止の余波で、ここで書くことでその某所の方にご迷惑がかかる可能性が0ではないと思ったためです。
そもそも、こんなことを消費者が考えなければならないこと自体がすごく悲しいです。
私はADAが好きでした。今も大概の製品は好きです。
自分がアクアを始めてしばらくしてから知ったADA製品は、明らかに他社のほとんどの物と比較してデザイン性に優れ、所有欲をくすぐるものでした。
カタログにも魅了され、そして天野氏の作り出す水景の美しさに魅了され、人工とはいえ自然と生命が共存した水槽という小さな世界に対する天野氏の考え方にも共感を持っていました。いや、今も持ってます。
アクアジャーナルでの天野氏のインタビューで「もっと勉強してこい」「なんでそんな事聞くの?」とか言っちゃうところとか、直接話をした方の話を聞いたりしても、天野氏の人柄に対してはわりと好意的に思っています。
だけと、天野氏に対する考えと、ADAという会社に対する思いは完全に同じではないです。
少なくとも自分はADA信者ではないと思ってます。
ADA製品より性能やコストパフォーマンスがよいと思うものは全然それを使うし(濾過器とかタイマーとかピンセットとかエサとか色々、他社製品を使うことには別に何も抵抗はないですし)、何でもかんでもADAがいいとは思ってません。
今回の件について、騒ぎ過ぎ、という意見を持っている方もいるでしょう。
確かにADA製品はなくてもアクアは全然成り立ちます。一品もADA製品を使ってない方も少なからずいるでしょう。
しかしながら、やはりこの業界においてのADAの存在は無視できないものがあります。
水草を今のように立派に生長させるような手法を生み出し、多くの人が見て綺麗だなぁいいなぁと思える水景や器具を作り出し、見た目に美しいアクアを牽引して来たのはまぎれもなくADAが筆頭であり、ADAがなければ今の私も続けていたかわかりませんし、アクアブログ界もここまでにぎやかにならなかったでしょう。
今回の通販禁止措置は、アクア業界の転換期の一つになると見て間違いないでしょう。
この先どう転ぶのかはわかりませんが、いちアクアリストとして、いちブロガーとして、いちADAを好きな者として、この件に意見を言わずにはいられません。
もちろん意見を言いにくい方もいるでしょう。
NAコンテストに出品する方や、ADAと関係している方は言いにくいのでしょうね。
ちょっと話は逸れますが、ついでにNAコンテストとそれ関連についても一言言っておきたいと思います。
NAコンテスト、毎年、今年は出そうかなぁどうしようかなぁとか思いつつも、結局これまで一度も出品はしてきませんでした。
私が出そうかと少しでも思う理由はただ一つ、NAパーティとその後の2次会で他のアクアリストと飲みながら話をしてみたい、というただそれだけです。
はっきり言って、コンテストの順位にはまったく興味がありません。
しいて言うなら、天野氏のみが採点し、ボロクソに言いながら、天野氏だけの順位を付けてくれるなら少しは興味があります。面白さという点だけで。「うおっ!おれ0点かよ、アハハ、あのクソ親父め〜」みたいなことがあれば最も美味しいと思ってますw。
っていうか、ずっとその方が今よりいいんじゃないかと本気で思ってます。
NAコンテストがみんなのやる気を出させ、水景創作過程や、実際のパーティ会場などでアクアリスト同士の交流を深めてくれるほぼ唯一の巨大イベントであることに対しては、すごくいいものだとは思います。
だけど、これはユーザー側にも問題があるのですが、ほとんどはいないものの、順位を追い求め、そのためだけにアクアをやっているように感じられる方や、水景構築のために見た目だけにこだわり、生体を取っ替え引っ替えしている方や、高順位の方を崇め、その高順位だった人ものぼせ上がって傲慢に振る舞い過去の栄光をひけらかし、頼みもしないのに批判や指導をしているように見えることがあることには正直嫌悪感を感じます。(あ〜言っちゃったw)
順位だけを追い求めるのもそれはそれでありなのかもしれませんが、私はそうありたくないです。
アクアリウムという一つの趣味として、上下の関係などなく、みんなで楽しく盛り上がれればそれが一番ですし、もっと言うと自分さえ満足できればそれで充分だと考えてます。
矛盾するかもしれませんが、私は一人でやっていたらここまで続けられなかったかもしれないと思うのも事実ではあります。それはここでブログ仲間たちからアドバイス(指導ではない)をもらったり、同じ目線で教えたり教えられたり、笑ったり、時に悲しかったことに共感したり、そんな趣味を共有することがすごく楽しかったからです。
一人でアクアをやっていたのでは得られないであろう楽しさをたくさん感じました。
ADAには、NAコンテストを開催する意味と意義について、もっとハッキリと表明してもらいたいです。
自社製品のプロモーションと販売促進の意味があることもわかっていますし、企業ですからそれも全然いいと思います。でもそれ以外の理念もありますよね、そう信じたいです。それをもっと熱く伝えて欲しいんです。
天野氏を好意的に捉えている自分としては、天野氏の意向からズレてきている部分があるんじゃないかと思ってます。
NAコンテストの余談は以上です。
さて、ようやく核心ですw。
青天の霹靂的に発表された今回のADAの通販禁止措置。
一部の通販会社(主にチャーム社)が少し前からADA商品を売らない(売れない?)状態になっており、ADAと通販会社の間に軋轢が生じているのではないかという噂はあったりしたので、突然と思わなかった方もいるのかもしれませんね。
WEB上で発表されたPDFによる通販禁止措置についてのお知らせは、一応まぁ出さないよりは出した方がよかったとは思います。
発表すらないまま、うやむやに消えていった場合、説明責任があるだろう!という声が生じるであろうことだけは避けられたと。
しかしながら、発表された文章の内容は、直接文面を受け取っただけではとても全て納得できるようなものではありませんでした。出した方がよかったのか、悪かったのか、皆さんのアンケート結果を見ても、どうなんだろうって思えてしまいます。
ぶっちゃけ「申し訳ございませんがADAは今後、正規特約店のみの販売に変更させていただくことになりました。以上。」だけぐらいの方が、もっと好意的に勝手に考えてくれる人もいたのではないかとさえ思います。
ADAの言うこと、というか言えないこともわからないくもない部分もあります。
言い分には書いていない裏があるであろうことが容易に想像できます。
それについては、もっと後ほど。
PDF内の文章についていちいち揚げ足取りをしていたらキリがないのですが、全体を通して言えることは、「だったら最初から通販させなければよかったんじゃないの?」ってことに尽きます。
最初から正規特約店でしか販売していなかったなら、ADA社はそういう会社なんだ、と思って、そういうものだと受け入れていたと思います。
しかし、今回のように途中で方向性がブレると信頼が揺らぎます。
ブレという面ではちょっと前にアクアジャーナルがいきなりvol.127からvol.133の間だけ380円になって、見開きページがそれまでと逆方向になったことを思い出しました。で、その後また500円で元の見開き方向に戻りました。
実は私はアクアジャーナルを全ての号を揃えようかなぁとその当時本気で思っていたんですけど、見事にこの号の時に当たって、一気にやる気をなくしやめました(見ため的に統一感がなくなってしまったため、コレクター根性が激しく萎えました)。
こういうブレって印象よくないと私は思うんですよね。
今回のことも、アクアジャーナルのときも、それなりに理由があるのでしょうけど、ADAにはもっとドーンと構えて揺るがずに信念を突き通していて欲しいって思うんですよ。
PDFの内容に関して、既に矛盾点はたくさん報告されていますが、ADAも自社製品の通販をおこなっていたことも明らかになってます。これはどう説明されるのでしょうか。
また、対面販売でそんなに説明が必要になる物ってあるでしょうか。
今はネットでいくらでも情報を収集することができます。高価なものだからこそ、皆さん色々調べて購入する場合が多いのではないでしょうか。
消費者もアホではありませんし、最初は多少アホ(アホと言うか無知)だったとしても、経験を積んで一人前のアクアリストに育っていくものです。私も最初の頃はどんだけアホな失敗を繰り返した事か(今もですがw)。その育つ過程と共にADA製品のよさに気付いて少しずつ自分が欲しいもの必要なものを買い足していくのが普通じゃないでしょうか。
ギャーギャーと最初からこれを揃えて、あれはこうして・・・、とか押し付けられると、もうわけわからん事言うな、好きにさせてくれ!って私は思っちゃいますw。
それに、私は今までアクアショップの人に、少なくともADA製品について正規特約店から説明を受けたことなんて一度もないです。
ピンセットについて対面で何を聞く必要があるのか、水槽について対面でどれぐらい聞く必要があるのか、それならよっぽどワインの中身についての説明の方が聞きたいぐらいです。
生体販売の件については、言うことはある程度わかります。(ADA製品で直接生体の生死に関わるような物はあまり思い浮かびませんが。)
私もできれば生体は自分の目で確認してから買いたいですし、先日もわざわざ千葉県まで行って(送ってもいいよって言われたにもかかわらず行ってw)買いました。
ただ、生体を通販で購入するよりも、直接お店で購入した方が常に必ずしもいいものかどうかというのは疑問があります。
ADAの正規特約店でも水槽に何百匹とギュウギュウに詰め込まれ、その中にプカプカ浮いてる魚が少なからずいるところや、トリートメントもせずにビニール袋に詰められて投げ売りされていたりするのを見かけます。
今の多くの通販での生体販売は(通販で送ることの是非はさておき)、保温材を入れたり、酸素の出る石を入れたり、そうそう死着が出ないように創意工夫が施されており(そりゃ通販会社の利益と信頼にも関わりますからね)、これと上記を比べると、さてどっちがマシかって思えます。
大体にして通販会社が説明もできず、生体も粗末に扱い、まるで無能のように表現されているように感じ取れてしまうのが納得できません。
自分ごとですいませんが、私のところにもたくさん問い合わせが来ます。
些細なことから、難しいことまで、ほんと色々来ます。時にはそれに答えるために、実験して試したり測定したり調べ物をしたりして、必ずできる限りの回答をさせてもらってます。
他の私が知っているチャームさんやレヨンさんやWaterPlantsWordさんやGLASSY AQUAさんなども、知る限りでは非常に親切に質問に対してわかることは答えてくれます。苦情に対してだって同様です。
ADA正規特約店と通販会社を比較した時、どちらが的確な答えを返してくれるかなんて少なくとも現時点では断定できないでしょう。
ムサいウダツの上がらない店員がいる店で、いったい何年前からあるのかもわからないボロボロの箱のADA製品を買うより、回転率の高い通販の方がちゃんとした製品が届く場合も多いんじゃないでしょうか。
何かを質問するとき、対面にはない気軽さも通販の利点じゃないかと思ってます。
まぁPDFの細かい内容に関しての意見なんて些細なものです。
ここで、なぜADAが今、通販を禁止しなければいけなかったのか、なぜ通販を禁止せざるを得なかったのか、について各立場のメリット・デメリットを交えつつ考えてみたいと思います。
まず、ユーザーの立場から。
デメリットとしては、ADA製品を購入する時に圧倒的に不便になること、対面での購入となると購入価格が上がると予想されることが挙げられます。
特に皆さんの意見でも多かったのが、水槽などの自分での運搬が困難な商品の購入時、そしてADAの正規特約店が近くにない方の購入経路が大きな問題点として挙げられます。
県内に1店はあります、とかふざけたことを言っているようですが、なんでそこまでこっちが苦労しなければいけないのか、今までが便利だっただけに憤りを感じずにはいられないでしょう。
苦労をしてでも手に入れたい人だけが買えばいいじゃん、みたいな考え方もあるのでしょうけど、そんなのでいいのでしょうか。
エコロジーに関する事でもそうですが、消費者がデメリットを抱えるようなものは敬遠されるものです。エコのために全員自転車で通勤ね、とか言われたらイヤですが、ハイブリッドカーに乗る事は今までとたいして自分的な苦労は変わらないのですんなり受け入れられます。
消費者にとって今までと変わりない状態をできるだけ維持しつつ、なお良い環境を提供していく事こそ、難しい点ではありますが、理想であり、その方法をもっと模索して欲しかったです。
では、ユーザー側にメリットはあるのでしょうか。
正直なところ、すぐ近々には直接的なメリットは何もないでしょう。
ただ、ADAが言うように、地元店の活性化には多少はプラスに働くでしょうね。
地元店が全くなくなってしまうのは私としても寂しいし、あると時々便利なこともあります。
しかし、いったいどれぐらい地元店の活性化ができるのかはけっこう未知数な気もします。
店によって比率は違うでしょうが、ADA製品が全てではないですからね。
ADA製品以外の、例えば「水草を買うならやっぱりあの店だよね」、とか「生体の種類が多くて管理も行き届いていてこの店にはちょくちょく来たいなぁ」とか、看板娘を採用するとか(すいません、これは余計でしたw)、ADAに頼らずとも生き残っていく手段を自ら模索するのも、資本主義社会の会社の当然の義務ではないでしょうか。
とにかくユーザーにとって、今回の通販禁止がデメリットばかりでメリットがハッキリしないことが最も反感を買う要因になっていることは明白です。
では次にADAの立場から。
ADAにとってのデメリットとして、売上げの低下と反対意見によるイメージ損失が挙げられます。
通販を禁止することで売上げの低下を招くことはまず間違いないでしょう。
ADAも馬鹿じゃないからそんなことは当然わかっているでしょうし、ある程度の反対があることも予想していたでしょう。
しかし、ここまで反対意見が多いことは少し予想外だったんじゃないかなぁとも思います。
この反対意見は、あのPDFの内容次第で幾分は抑えられたんじゃないかなぁとも思い、そこはもう少しうまい文を書いて欲しかったと思います。
ではメリットは何があったのでしょう。
一つはブランドイメージの保持です。やっぱり価格が高く、ある程度気軽に入手しにくいものの方がブランド力が保てるのでしょう。これはアクアとは関係ない有名ブランドでも当てはまります。
通販会社の安売りに関しては度々問題になって相当気にしていたようですし。(これはこの記事の最後の方の話でも触れます。)
でもブランド力にはもう一個大事なものがあると思うんですよ。
それは品質です。
やっぱりね、多少高かろうが他にないもので品質がいいものだったら買っちゃうと思うんですよ。
そこでどうしても苦言を呈したくなるのがDo!aquaです。
Do!aquaの品質については各所で苦情が出ている事はわりと知っている方も多いのではないでしょうか。
価格が安い分、品質には多少妥協して欲しいというような意向のようですが、とても妥協できるような代物ではないイビツな商品の写真も多数目にしましたし、正直ADAにはそんな中途半端なものを出して欲しくなかったです(Do!aquaの中でもいいものもあるようですけど)。個人的にはむしろ同ブランドはなくても良かったんじゃないかと思ってます。
Do!aquaの方針の一つとして、価格が安いものを手軽に初めてアクアを始める方にも広めたい、というようなものがあるようですが、通販ではほとんど入手できないようですし、なんだかチグハグです。
店頭で購入する安いものなら他社製でもいいんじゃないかって思っちゃいます。それでもDo!aquaの方が優れているものも多そうで、それは他社が不甲斐ないとしか言えません。
もう一つ、ADAのメリット(と言いきれるかどうか微妙ですが)として、他の方の指摘にもあったように、特約店との関係が推測されます。
特約店から通販会社等の安売りに対する苦情がADAに多数届いていた事は間違いないようです。(この件に関しては、ここでは載せるのを控えますが、以前特約店だった店が公表したADAからの資料に明記されてました。入手済みです。)
ここからは推測も含みますが、ADAと特約店の関係は、特に一部の特約店との関係は相当強く、それを離すことができなかったのではないかと推測されます。
そういった意味ではADAの立場もわかります。
ADAは非常にブランド力があり、崇高な理念に基づき、他にはない付加価値の高い商品を提供してくれる強い会社というイメージが(少なくとも私には)ありましたが、その一方で、特約店との関係を崩すことができない、特約店に頼らざるを得ない、弱い一面もあるのではないかと勝手に思っています。
もしそうであり、今回の措置も、もし特約店が反旗を翻し、通販だけで販売する事になったとしたらあまりにも厳しいと判断したためであるとしたら、幾分同情もします。
でも、ほんとはそうであって欲しくないんです。
私はやっぱりADA製品と天野社長自身とその理念がまだ好きなんです。
理想だけではやっていけない事もわかりますが、それでもできるだけ理想を突き通して欲しいんです。
では最後に、一部の方が指摘されている法的問題、特に独占禁止法関連について書いておこうと思います。
私はそれなりに会社に関する法律を読んでましたし、特許法関連や、毒物劇物・危険物などの法律や法令もある程度目を通したことがあるので、だいたい法律なら同じような文章体系で書かれているため、そんなに独自の文章に拒否反応はないです(密かに特許持ってたりしますw)。でも、それでも専門外ですので、法的解釈は確実ではないことを最初に明記させてもらいます。
まず、販売価格を強制する行為があったのか、なかったのか、という点に関しては、かなり信頼性の高いソース(書類あり)により、安売りをやめないと特約店を解除するよ、という通達がADAよりなされていた可能性が高いようです。
通常の製造者から卸してお店で販売する場合には、この行為は再販売価格拘束に当たり、明らかに違法です。
独占禁止法第十九条に「事業者は、不公正な取引方法を用いてはならない。」とあり、不公正な取引方法とは、第二条の四および五において「相手方の事業活動を不当に拘束する条件をもつて取引すること。」「自己の取引上の地位を不当に利用して相手方と取引すること。」と定義されています。
再販価格拘束の例の一部として「メーカーの示した価格で販売することを取引の条件として提示し,条件を受諾した流通業者とのみ取引する場合」、「メーカーの示した価格で販売しない場合に出荷停止等の経済上の不利益を課す場合」、「安売りを行っている流通業者への流通ルートを突き止め、当該流通業者に販売した流通業者に対し、安売り業者に販売しないように要請すること」とあります。まさにそのまんまではないでしょうか。
違反した場合は公正取引委員会より排除命令を受け、それに従わない場合は刑事罰が適用され、法人の場合は3億円以下の罰金が科せられます。
ただし、これに適用されない例外が2つだけ公正取引委員会により示されています。
一つは、「委託販売の場合であって、受託者は、受託商品の保管、代金回収等についての善良な管理者としての注意義務の範囲を超えて商品が滅失・毀損した場合や商品が売れ残った場合の危険負担を負うことはないなど、当該取引が委託者の危険負担と計算において行われている場合」
二つ目は、「メーカーと小売業者(又はユーザー)との間で直接価格について交渉し、納入価格が決定される取引において、卸売業者に対して、その価格で当該小売業者(又はユーザー)に納入するよう指示する場合であって、当該卸売業者が物流及び代金回収の責任を負い、その履行に対する手数料分を受け取ることとなっている場合など、実質的にみてメーカーが販売していると認められる場合」
1つ目に書いてある「委託販売」という法的定義がまた微妙で、これがADAの販売特約店に該当するのかどうかは当事者の契約内容を見ないと断定できないため、違法とは言い切れないのが現状です。
しかしながら、この委託販売と独占禁止法との間の関係は相当グレーで、違法か問題ないのかは解釈次第の部分もあるようで、普通の大企業ならば自社のもしものためにも安全策として再販価格拘束は絶対に行ってはならないことの一つとして挙げられています。
値引販売を阻止する目的で行われたメーカーによる特約店契約の解約は無効であるという判例もかなりあります。
危険な部分はもう一点あります。
それは今回の措置が2月3日に突然通告されたことです(これもソースがあります)。
一番驚いたのはユーザーよりも通告を受けた販売側だったかもしれません。
販売契約が結ばれていた際に、解約予告期間が設けられている場合が多いようで(必須かどうかはわかりませんが)、例えばそれが30日間と定められているとしたら、突然の約定解除権の行使は無効となるという判例が多数あります。また、解約予告期間によらず著しく相手の利益を損なう一方的な契約解除は無効であるという判例もあります。
いずれにしても相当グレーゾーンであるこのような法的に問題視されてもおかしくないような行為はできるだけとらないというのが法人の常識でしょう。
さて、ここまで色々書いてきましたが、別に私はADAをいじめたくて書いているわけではありません。
上でも書きましたが、私はADA製品がやっぱり好きなんです。
製品を買う時って、製品のよさの他にその企業のイメージもかなり影響を与えますよね。
どんなにいいものだろうが、イメージが悪いとやはり購入がためらわれますし、買った後の気分も良くないです。
今回の件で、私のADAに対するイメージは少なからず下がったのは事実です。
もし本当に地域の販売特約店の活性化を目指すのであれば、販売網をただ通販をやめて特約店だけに絞るのだけではなく、各特約店に対するそれ相応の活性化のための対応も、ぜひとも今後期待したいところです。
社員がそんなに多くなく、大変な面もたくさんあるとは思いますが、通販をやめることで多少出る余力を、特約店の活性化のためにADA自ら動いてもらいたいです。
うちの近くにもある、決して綺麗とは言えないADA特約店が、ADAの直接の指導なり教育なりにより、見違えるように品揃えも良くなり対応も良くなったとしたら、それはそれでADAを見直します。
期待を込めて、今後のADAを見守りたいと思います。
長文(駄文)を読んでいただきありがとうございました。
あ、そうそう、書き忘れましたが、アンケートはある程度集まって投票が落ち着いた時点でADAに送ろうかと思います。
300人ぐらいの意見をもらったからには、これをADAに伝えるのも今の自分ができることかなって思いますので。
今回でこのアンケートを貼付けるのは最後にしますが、コメントをしづらい方はアンケートの方でどうぞ。
投稿者 38brain : February 17, 2009 6:44 AM
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コメント
おはようございます。
朝からガッツリ読ませていただきましたw
法的云々は私にはどうでも良い・・・というかよく分かりませんが全体的に同じような意見ですね。
やっぱりADAが好きですから(というか他社が・・・)
今後に多少なり期待してます。
ただあまり製品はあまり買えないんだろうなぁ^^
あ、元々買ってませんが(苦笑)
投稿者 hpa0633 : February 17, 2009 8:24 AM
あんたすげーよ!
投稿者 530T : February 17, 2009 8:41 AM
禿同
投稿者 ZERO-FACT : February 17, 2009 9:29 AM
久しぶりにこれだけの文字を読みました(笑)
私もADAが好きです^^ 天野さんのことを書いた某ドキュメンタリー本を読みましたが、
氏の考え方に賛同する部分もたくさんあります。
この小さな業界であそこまで信念を持ち突き進む人もそういないのではないかとも思います。
ただADAが躍進しはじめてから、ブレが多い気がしますね。会社組織なのでいろいろでしょうけど・・
もう決まったことなので、したがうしかないのですが(消費者なのにね)
売り上げが下がるのを承知での決断でしょうから、いろいろ考えがあるのでしょう。
今回の件で特約店の対応がどう変わるかみていきたいです。
今までと変わんないジャン。。。っとなればダメダメですけどね。
これを期にサービス面、その他でグッと良くなることを期待(応援)したいと思います。
結局そっくりそのままもとに戻ったら有る意味でがっかりかもしれません^^;
投稿者 たりすかー : February 17, 2009 10:50 AM
良い文章を書く、とは悪い文章を書かないこと、
たとえば事実と意見をないまぜにしない、
とか社会人になって誰かからおそわったのですが、、
さすがっす。僕には絶対に書けないです。
価格統制のヤバイ話はかなり以前で時効かなだと思ってたんですが、
今回の件にも絡んでいるんですか・・・。
一人の製品好きとして、
ADAさんここまで流通に大ナタ奮ったんだから
こんどはエンドユーザの利便性向上のために
行動してくれることを願わずにはいられません。
投稿者 teruki1997 : February 17, 2009 11:16 AM
長文お疲れ様でした。
通販措置の件も霊魂の件も同感です。
今回のHP上でのPDF文書では理由がさっぱりわかりません。
常連扱いをしてもらっているショップでこっそり通達文を見せてもらいましたが、
その内容と公開PDFではまったく主意がちがいました。
本音と建前は当然ですが、ちょっと消費者をなめてんじゃないかなぁ。
私は定価販売で構わないのですが、品質管理はそれに見合う努力をして欲しい。
美しい製品は今でもとても好きだけど、会社の姿勢を嫌いになっちゃいました。
遠方の顧客、病気などの理由があってショップに行けない顧客へのフォローを考えて欲しいですね。
企業としての今後のCSに淡い期待を抱いています(ってADAには無理かな)。
投稿者 imp28 : February 17, 2009 11:36 AM
拳を握りしめながら読んでしまいました
ありがとうございます
投稿者 blacklayout : February 17, 2009 11:59 AM
こんにちは
前半の水槽の楽しみ方・コンテストについて38さんに一票いれるwww
我輩とまったく同じ考えを持っている人がいたことに驚きです。
『コンテスト上位入賞を目指し』楽しんでいる人、『お気楽極楽ぬるま湯につかりのほほん水槽』を楽しんでいる人とでは目的も思考も価値観も全く違いますよね。
もちろん私は後者デス。
さて、本日のADA。
私も自分のブログに書きましたが、水槽趣味を続ける限りADA製品はADAが滅びるまで今後も購入し使い続けます。
でもADAへお願いもあります。特約店が無い遠方の方には特約店経由で通販可能にしてもらいたいです。
これはメーカ努力で是非改善してもらいたいです。
今回の通販禁止通達を特約店2件にヒアリングしたところ、事前連絡も無くいきなりのファックスで困惑していました。
38さんの近所の綺麗とはいえない特約店が分かってしまう自分ってwww
あそこは水槽いっぱいにお魚がパンパンに詰め込まれていて、見ていても苦しそう。
そしてなぜか安い。
水草もコケまみれでしたよね。
あ、でももう半年行っていないのでこの半年間でとても綺麗になったのかも? !
・・・・よ~し、こうなりゃADAの営業活動だ!
ぜひ奥沢の水景工房に足を運んでください。横浜から東急線でちょいちょいっと。
すごく小さいお店ですが店長は変態(←えw?!) でいろいろと詳しいですよ。
そしてさらに書いちゃうヨ!
@3:ADA特約店は在庫数によってADAからランク付けされます。
ランクによって特約店に対して何のイベントが発生するかは不明です。
@4:ADA特約店は2ヵ月毎のADAによる講習会に参加することができます。
強制参加・希望者参加・持ち回り参加・会場はあえて聞きませんでした。
でも旅費が実費だとしたら参加率は非常に悪いような気がします。
ざっとこんなところです。
投稿者 きのこ : February 17, 2009 12:09 PM
私の推測でしかありませんが、
通販禁止措置の文書は、どうも独占禁止法対策のような気がしています。
ADA製品は対面販売が基本理念になりましたって言っておけば、
通販会社との取引停止も筋が通る訳ですな。
なので、ピンセットだってAJだって店頭で買ってね、となります。独占禁止法対策として。
それほど、特約店が大事なんでしょうね。
ADAの販売が落ち込むことは間違いないと思うのですが、
これを機に、受け皿となるような、そしてADAを脅かすようなメーカーが出てきてくれることを願っています。
投稿者 jenuine : February 17, 2009 12:25 PM
やるなー
私は顔が売れてないぶんがつんと感情的に書いたけどw
私はメール送ったら煮え切らない返事が来ましたよんw
通販再開予定は当然なし
法律関係は総スルーでしたwww 考えてなかったのかもね
店舗で見て通販で安いのを買うっていうスタイルの私はADAにとって一番のカタキだったりするんだろうなー
店舗でADAはまず出ないのからって在庫してないところがほとんどでしたからね
今回の措置で卸値が安くなるのであれば通販並みの値段で売ってくれるかもしれませんがそうはならないだろうな・・・
投稿者 GED : February 17, 2009 12:51 PM
>こんなことを消費者が考えなければならないこと自体がすごく悲しいです。
私もこの想いが強いです。
アクアという趣味に対して、あまり失望の念を抱かせて欲しくないものです。
(あ?言っちゃったw)←(笑
投稿者 Tsuchion : February 17, 2009 1:03 PM
長文お疲れ様です(^^)。
色々と勉強になりました。
私もコンテストの順位は、天野氏の独断と偏見で順位付けして欲しいと思ってました。
その方が面白いと思うんですよね。
それにしても他メーカー、もっと頑張って欲しいなぁ(笑)。
投稿者 みー : February 17, 2009 1:50 PM
ADAの時代を逆行した今回の措置には開いた口が塞がりませんw
通販全盛の時代にこんなウルトラCを繰り出すあたり流石ですwww
特約店も大事でしょうが、それもユーザーあってですからね。
近くに特約店のない方はどうしろと?
個人的には全部通販禁止にするのでは無く、
ドアクアは通販OK、ADAブランドは通販禁止の方がいいのでは?と思います。
ドアクアで宣伝して店頭でADAを買ってもらうみたいな感じで。
まぁドアクアのクオリティを見てADAが欲しくなるかと言ったら微妙ですけどw
ADAブランドの方もクオリティが年々右肩下がりで定価でも欲しいとは言い難いのですが。
投稿者 Kosa : February 17, 2009 2:40 PM
冷静にさり気に熱く・・・自分・他のユーザー・ADAの立場に立っての
切り口の鋭い文章さすがは38brainさんです。
私にもここまでの文章力があればといつも思っています。
今回の記事を読ませて頂いてADAの件につきましては含みなどもありまして私は意見きませんがここは私の周りに当てはまる事もあるし最近、私が陥りがちになっている状態にも触れておられましたので一言・・・
>だけど、これはユーザー側にも問題があるのですが、ほとんどはいないものの、順位を追い求め、
>そのためだけにアクアをやっているように感じられる方や、水景構築のために見た目だけにこだわり、
>生体を取っ替え引っ替えしている方や、高順位の方を崇め、その高順位だった人ものぼせ上がって傲慢に
>振る舞い過去の栄光をひけらかし、頼みもしないのに批判や指導をしているように見えることがあること
>には正直嫌悪感を感じます。(あ〜言っちゃったw)
>順位だけを追い求めるのもそれはそれでありなのかもしれませんが、私はそうありたくないです。
>アクアリウムという一つの趣味として、上下の関係などなく、みんなで楽しく盛り上がれればそれが一番ですし、
>もっと言うと自分さえ満足できればそれで充分だと考えてます。
>矛盾するかもしれませんが、私は一人でやっていたらここまで続けられなかったかもしれないと思うのも事実ではあります。
>それはここでブログ仲間たちからアドバイス(指導ではない)をもらったり、同じ目線で教えたり教えられたり、笑ったり、
>時に悲しかったことに共感したり、そんな趣味を共有することがすごく楽しかったからです。
これの文は少なからず「ぐっ!!!」ときてしまいました。
確かに上記の文章の様な事を私はブログに書いていたり水景構築優先で魚をとっかえひっかえし高順位の方に
意見を聞き順位を追い求めています。そしてその過去に高順位をとられた方を師匠と呼び敬意を表しています。
・・・正直、この様な行為が38brainさんに嫌悪感を感じさせていたと言うのがショックでした(泣
気づいてもいませんでした・・・これにつきましては常日頃私のことを信頼していつも心遣いして頂いているのに
誠に申し訳なく心の底より謝罪させて頂きます。
しかし今の私にはアクアが唯一の生きがいでありそれを続けられていく原動力がADAのNAコンテストなのです。
ブログの内容もしかりであります。
現在リリースしていますカスタマイズorグッズの開発もそこからのフィードバックの賜物だと言うは理解して頂ければ
幸いです。
そしてそこで高順位を取りたいと言うのはごく自然な感情だと思いますし更なる順位UPの為に教えを請うのもこれも
また自然な事だと理解しております。
そしてその方を師匠と崇めるのは上位者として目上の方として敬意を表するのは当然ですが純粋にその方が今より更なる
飛躍を遂げて地元のアクアが穿った言い方をすればそれによって刺激され地元のアクアが(商売も含め)
さらに発展するようにと願いからブログに取上げますし前記のような記事の書き方になってしまします。
その部分はどうかご理解下さい。
・・・すません私の文章力ではこれ以上書くとぐちゃぐちゃになって誤解されたら悲しいのでこの辺でやめておきます。
あとはいつか必ずお会いしてじっくりとこの様な事を話せたらなぁと思っています。
P.S
この事で私と38brainさんと築き上げた信頼関係が壊れる事など無いと固く信じておりますw。
ではでは
投稿者 Factory-style : February 17, 2009 3:38 PM
P,S
自分のコメ投稿してから読み返しましたら・・・
スレ違いも甚だしい・・・恥ずかしいです。
じゃまくさかったら削除しておいて下さい
投稿者 factory-style : February 17, 2009 3:43 PM