KTX2期工事:欠陥品の枕木フックボルトは韓国製
手抜き工事の問題点とは
韓国高速鉄道(KTX)の第2期工事区間である大邱-釜山間のレール敷設工事で発覚した手抜き工事は、専門性のないメーカーとお粗末な現場監理による「共同作品」だった。軌道分野での経験を持つ者が一人もいない会社が不良品を生産し、現場監理業者は外国の技術を盲信するだけで十分な役割を果たせなかった。
枕木を製造した慶尚北道尚州市化西面の「チョノン・レールワン」社は2006年12月、コンクリート製品メーカーの「チョノン工業」社と、ドイツの「レールワン」社の合弁で設立された。事実上、KTXの第2期工事のために設立された会社で、軌道分野での施工実績はまったくなかった。
現在、約60人の社員が在籍しているが、軌道分野での経験を持つ社員は一人もいなかった。品質管理を担当する6-7人の管理職ですら、建設現場でコンクリートやセメントを取り扱った経験はなかった、と会社側は話している。イ・ハンセ工場長は「社名を明かすことはできないが、全羅道のある業者が製造したフックボルト(枕木を固定する部材)の納品を受け、これを使って枕木を製造し、施工会社に納品しただけだ。亀裂が見つかっていなければ、今も(設計図に示された)防水材が使われているのか、吸収材が使われているのか分からなかっただろう」と釈明した。
一方、工事現場の監理を担当した韓国鉄道技術公社は「枕木を製造した会社にはドイツの技術者たちが常駐しているため、製品の品質を疑うことはなかった」と語った。部材の監理を担当したチン・ヒョンムン課長(51)は「枕木の製造工程だけを監督していたため、枕木に使われるフックボルトに問題があるなどとは考えられなかった。亀裂が見つかるまで、フックボルトはドイツで製造され、枕木に取り付けられたものとばかり思っていた」と述べた。
これに対し、軌道関連の会社は「外国の技術にばかり依存し、専門性がなかったためにこうした事態になった」と指摘した。防水材として使われる半固形状の圧縮用潤滑油(50ミリリットル当たり250ウォン=約16円)は、吸収材に使われるスポンジ(1個当たり50ウォン=約3円未満)より5倍ほど高いが、単価が非常に安いことから、コスト削減のために不良品を生産したという可能性は低いという。軌道関連の会社のある関係者は「この業者が、大邱から蔚山までの131キロ(上下線の合計)の区間(第4工区)で、枕木に吸収材を使うことによって節約できる金額は約4100万ウォン(約260万円)=差益200ウォン(約13円)×20万6514本=にすぎない。コスト削減よりも、経験がないために起こった出来事だ」と話している。
一方、監督官庁である国土海洋部は、手抜き工事が発覚してから1カ月以上も報告を受けていなかった。同部とKTXを運行する韓国鉄道公社は「手抜き工事の問題について、専門家との合同調査団を設けて調査を行っていく予定だ」と語った。
大邱=チェ・ジェフン記者
尚州(慶尚北道)=チェ・スホ記者
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