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    またThinkPad 240では小型化のために本来7列のキーボードを6列に変更していたが、s30では再度7列に戻している。その結果、キーボードの奥行きが増え、パーム・レスト部の奥行きが短くなり、掌がフロント部のエッジに当たって違和感が生じる。これを解消するのが、「スイング・バック・フィン」だ。これは本体後部にあるバッテリにセットされた足(スタンド)を回転させ、本体の後部をシフトアップすることで、ななめになったキーボードと机などの上面がゆるやかにつながることになる。
 バッテリーも、s30の特徴の一つだ。標準装備のバッテリーでは6・5時間使用、オプションのFull Dayバッテリーでは10時間の使用が可能なのだ(もちろん前述のフィンは、どちらのバッテリーにも装備されている)。
 バッテリー使用時間を延ばすためには、単にCPUの電力消費を減らすだけではなく、動作クロック、LCDの輝度、HDDの回転、PCカードスロットへの電力供給など、細かな節電を積み重ねていく必要があったという。電力を食うCD-ROMなどを標準搭載しない機種とは言え、10時間といえば、東京から米国西海岸までの飛行中、仕事をしつづけられる長さ。これなら本来の意味でのモバイルコンピューティングが実現できる。
 またシリアル、パラレルなどいわゆるレガシー・インターフェィスを削除して、その代わりUSBポートを2つに増設したことはデザイン上大きな要素だろう。これによって装着しても厚みの変わらないバッテリーを背面に配置でき、携帯性の面でも、スマートさの点でも画期的なものとなった。
 いずれにしても、このs30は、デザインの面でも、機能の先進性という面でも、間違い無く後代に語り継がれる機種となるだろう。

 
    後部の「スイング・バック・フィン」で、パームレスト部の狭さを軽減。USBポートは左右に装備する
     
   
    10時間駆動のFullDayバッテリーをセットしても、s30のフォルムが崩れることはない。
     
   
    本体の角を落すことで、見た目や手に持ったときには実際以上に薄く、軽く感じられる。
     
   
    パームレスト部の左右の穴は、ドーム型のスピーカー
 
戻る..   続く..
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