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先進7か国財務相・中央銀行総裁会議(G7)後のろれつが回らない“ベロベロ”記者会見を行った中川昭一財務・金融相(55)が16日、衆院財務金融委員会に出席し、「(酒を)ゴックンしていない」と深酒疑惑を否定したうえで、原因を風邪薬の大量服用と強調した。野党からの集中砲火に、苦しい弁明の連続。世界中に配信された会見の様子を「情けない」と自ら猛省した。麻生太郎首相(68)の懐刀の失態に、与野党から「辞任すべき」との声が噴き上がっている。
世界に衝撃を与えた前代未聞のベロベロ会見の主役は、衆院財務金融委を始め、1日中、苦しい“酌”明に追われた。
「酩酊(めいてい)会見だ!」と民主党・中川正春氏の追及を受けた中川氏は、G7開催地のイタリアに向かう飛行機内や13日の昼食会での飲酒を認めたが「(当日の)14日は一切酒を飲んでいない」と会見直前の飲酒を強く否定した。醜態の原因に風邪薬の多量服用を挙げた。
出発前から風邪気味だったため「友人の医師に処方された顆粒と錠剤の2種類の薬を朝昼晩と普段の倍の量を服用した」と主張した。
G7中の昼食会でワインが出たことを指摘されると「パスタと一緒に赤と白のグラスワインが出て他の財務相と乾杯した。たしなむ程度で飲むのとは意味が違う」とごく少量のワインを口にしたことを明かし、発言が微妙にぶれた。「飲んだのをゴックンというのであれば、ゴックンはしていない。グラス1杯も飲んでいない」とにやけながら答弁。
G7終了後、会見の約2時間前には財務省職員や同行記者らと別の昼食会を行い、この場での飲酒も否定した。一方で「同行記者が(会見直前に)大臣が酒を飲んでいるのを見たという証言も得ている」と質問者が述べるなど、深酒説は消えてはいない。
帰国後、テレビで会見の模様を確認したという中川氏は「ああ情けないなと思った。家族も見て非常に叱責(しっせき)を受けました」と猛省。自身の進退に関し「辞めろと言われれば辞める」と麻生首相にゲタを預けたが、委員会後に官邸で会談し陳謝。首相から「体調を管理して引き続き職務に専念してほしい」と続投を指示された。
民主党は17日にも中川氏に対する問責決議案を参院へ提出する方針を固めるなど臨戦態勢だ。15日発表の日本テレビの世論調査で内閣支持率が9・7%と、主要報道機関で初めて1ケタ台を記録。中川問題が超低空飛行の政権へのとどめの一撃になる可能性をはらんでいる。
「義理と人情とやせ我慢」がモットーの麻生首相。重要閣僚であり、かつ盟友関係の中川氏といえども、泣いて馬謖(ばしょく)を切らざるを得なくなるか…。
(2009年2月17日06時01分 スポーツ報知)