ひきこもりを経験した若者や支援者が、体験や支援のあり方を語るシンポジウムが15日、神戸市中央区であった。ひきこもりや不登校の子を持つ親ら約160人の参加者は、若者が語る不安や悩みに聴き入っていた。
神戸や姫路、西脇などの支援団体で構成するネットワーク「ほっとねっと兵庫」の主催。篠山市で若者の交流の場「しゃべり場」を主宰する井上一休さんの司会で、若者たちが思いを語った。
20代の男性は「ひきこもっている時は本当に怖かった。『今の自分じゃあかん』といつも思っていた」と苦しみを振り返った。20代の女性は、祖母に誕生日のプレゼントを贈ったエピソードを語り、「『孫でいてくれてありがとう』と言ってくれた。社会に出ていなくても、そのままの私を好きでいてくれるのが、すごくうれしい」と話した。
井上さんは「受け止めてくれる人がいないと、子どもたちは思いも表現できない」と語り、家族や周囲の人の役割の大切さを強調した。【川口裕之】
〔神戸版〕
毎日新聞 2009年2月16日 地方版