オーストリアの思想家シュタイナーの教育法や治療音楽を学ぶ治療教育家で弦楽器「ライアー」奏者の仲正雄氏が15日、盛岡市中ノ橋通のプラザおでってで、「ひきこもりを考える」と題した講演を開いた。参加した約20人は仲さんの語り口に盛んにうなずいていた。
仲さんは30年に及ぶドイツでの生活などを踏まえ、「教育の課題は、子どもが社会に出た時、自分の力で(社会にいる)他人の中に居場所を見つけられるようにすること。社会との接点がないと外れてしまう」と指摘。「まず一番身近な他人である母親が、子どもたちの居場所になって」と呼びかけた。
シュタイナー教育は、子どもの個性や想像力の育成を目指し、試験や競争をせず自然と触れ合う機会を多くとる点などが特徴。【狩野智彦】
毎日新聞 2009年2月16日 地方版