サイエンス

文字サイズ変更
ブックマーク
Yahoo!ブックマークに登録
はてなブックマークに登録
Buzzurlブックマークに登録
livedoor Clipに登録
この記事を印刷

循環器病センター:人工心臓治験中死亡、体制不十分と指摘

 国立循環器病センター(大阪府吹田市)で臨床試験(治験)中の補助人工心臓を装着された男性患者(当時18歳)が07年春に突然、心肺停止に陥り、約1年後死亡した問題で、外部委員らでつくる調査委員会(委員長・上田裕一名古屋大教授)は15日夜、記者会見し、容体急変時のセンターの診療体制は不十分で、容体変化への対応が遅れたと認定した。今後、認定内容を報告書にまとめ、センターに対し改善を求める。

 委員会は同日、患者の受け持ち医ら医師5人から事情を聴いた。

 その結果、受け持ち医は「レジデント」(修練医)と呼ばれる非常勤医師で、補助人工心臓をつけた患者の診療経験はなかったことが判明。また急変当日は、午前10時ごろから付き添いの母親が患者の息が荒いなどと異常を訴えていたが、日曜日で受け持ち医が不在。午後になって看護師が連絡したが、即応できず、午後6時ごろになり、やはり修練医である当直医が検査を指示した。補助人工心臓に詳しい常勤医に連絡がついたのは午後9時ごろで、間もなく心肺停止が起きたという。

 上田委員長は「経験のない修練医では(容体を聴いても重要性が)判断できなかっただろう」と話し、休日も常勤医師が出勤する体制の確保などバックアップが必要だったと指摘した。【高木昭午】

毎日新聞 2009年2月16日 17時55分

検索:

関連記事

2月16日循環器病センター:人工心臓治験中死亡、体制不十分と指摘

サイエンス アーカイブ一覧

 

特集企画

おすすめ情報