テント村で暮らすジャルフームさん(左)。生活費を稼ぐため駄菓子を売っている=ガザ北部ベイトラヒヤ、井上写す
イスラエル軍の攻撃で自宅を破壊された住民が暮らすテント村は、今もがれきに囲まれている=ガザ北部のアベドラボ、井上写す
イスラエル軍によって破壊されたコンクリート製造工場=ガザ北部のアベドラボ、井上写す
イスラエル軍の攻撃で左足を失ったフルードゥさん(左)が、義足について説明を受けていた=ガザ市内の義足センター、井上写す
ガザ自治区南部のエジプト国境で、密輸トンネルを修復する作業員たち。背後の遠方に見えるのは、エジプトの国境監視塔=ラファ、川上写す
イスラエルとイスラム過激派ハマスが、それぞれ一方的に「停戦」を宣言してから18日で1カ月。パレスチナ自治区ガザはイスラエルによる封鎖が続き、一向に復興が進まない。
ガザ北部ベイトラヒヤ。停戦後に出現したテント村で、ジャルフームさん(67)が、ほこりだらけの駄菓子を並べて売っていた。一日の売り上げは100円(4シュケル)程度だが「こうでもしない限り全く収入がない」と嘆く。
駄菓子店を営んでいたが、イスラエル軍の攻撃で完全に破壊された。財産は大小四つの鍋と売り物の駄菓子だけ。がれきの山から掘り出した。
ガザでは封鎖のためセメントなどの建設資材が足りない。イスラエル側が武器転用を恐れ、入れさせない。ガザにあった建設資材関連の工場は標的となり、コンクリート工場27カ所のうち17カ所が攻撃を受けた。
ガザで唯一、義足や義手を提供する「義足センター」。シャウワ所長が、車いすに乗ったフルードゥさん(18)に語りかけた。「大丈夫。体に合う義足を作るから」。フルードゥさんは、ジャバリヤ地区にある自宅で戦車の砲撃を受け、左足を失った。
シャウワ所長によると、今回の攻撃で義手や義足が必要になった人は少なくとも250人。だが、修理用の部品ですら、封鎖の影響で手に入らないという。(ガザ市〈パレスチナ自治区〉=井上道夫)