(cache) 燃焼試験
地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター

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3.燃焼試験

 適当な大きさの糸にほぐした後、火をつけて、燃えかた、煙の色、におい、燃えかす等を確認する。この方法は非常に簡便であり、繊維の色に左右されないという長所があるが、混紡・交撚品では判別が難しく、熟練を要する。

◎試験方法

糸をほぐす様子の写真1)織編物の場合は、糸にほぐす。これは、糸によって繊維の種類が異なっている場合があるからである。

少しよりを加えた糸をピンセットでつかんでいる写真2)約10cmほどとり、3~4cmとし、バラけないようにすこし撚りをくわえる。

ガスバーナーで火を付けようとする写真3)2)の糸をピンセットではさみ、火をつける。なお、繊維の種類によっては、素早く燃えたり、溶け落ちたりするものがあるので、ピンセットで挟んで行うとともに、繊維が溶け落ちてもかまわないものの上で行うこと。

炎を上げている試料の写真4)燃焼中は、燃えかたと煙の色を観察し、においを確認する。

火を消した試料の写真5)火を消した後、燃えかすを観察するとともに、においを確認する。また、燃えかすは冷めた後に指でさわってみる。
もしわからなければ、既知の繊維と比較しながら繰り返し行うとよい。


 主要な繊維についての燃焼の様子を表に示す。なお、この試験は感覚的なものであるため、繰り返し行い、自分でポイントをつかむことが大切である。

繊維 炎・煙の様子 におい 燃えかす
セルロース系
(綿、麻、レーヨン、ポリノジック、キュプラ)
ろうそくに火をつけたような感じで、燃え続ける 紙の燃えたようなにおい 灰色で非常に小さい
たんぱく質系
(毛、絹)
ちりちりと燃える 髪の毛の燃えたようなにおい 黒く膨れていて、簡単につぶれる
ナイロン 火を近づけると溶融しながら遠ざかる アミド特有のにおい 黄色~茶褐色で硬い。
ポリエステル 溶融しながら燃える。煙が黒いのが特徴 特有の甘いにおい 黒く硬い
アクリル 非常に速やかに燃える 特有のにおい 黒く硬い



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