県厚生連佐久総合病院(佐久市臼田)が機能を分割移転する再構築計画で、重症患者らが対象の「基幹(高度)医療センター」の移転予定地である佐久市中込中央区で15日、説明会が開かれた。区側が主催し、住民約160人が参加。同センターの機能や周辺道路の渋滞対策、ドクターヘリの騒音など住民の関心事について聞いた。
同区での説明会は2007年5月に住民有志が開いて以来。7日に県と佐久市、厚生連の3者協議で、同地区の工業団地内用地への病院建設手続き開始が合意されてからは初めてになる。
夏川周介院長らが、基幹センターは生命の危険があるけがや病気に対処する救命救急や、紹介を受けた重症患者らを主に受け入れると説明。住民からは「腰が痛くても診てもらえないか」「夜間で開業医が開いていない時は」などの質問があり、病院側は「病院と開業医の役割をすみ分ける流れになっている」「緊急性があれば受診して」などと答えた。産婦人科と小児科は、医師全員を基幹センター勤務にする方針という。
ドクターヘリの飛行回数は「06年度が313回、07年度が330回で1日1回ほど」と説明。飛行経路は「風向きや出動場所により選ぶので固定していない。運航会社と相談して住民への影響が少ないルートを選びたい」と話した。
用地の東と南側の道路が狭く、朝夕の交通渋滞が懸念される点は「県や市の指導を受け、対処していきたい」と回答。約13ヘクタールの用地利用のレイアウトや救急車の進入経路は「市の周辺整備計画と擦り合わせなければならず、提示できる段階でない」とした。
参加者から「住民の意見が反映されるようにしてほしい」と要望があり、今後も状況に応じて説明会を開くことにした。主催した区側は「知りたいことが聞けた。まだ明確でない部分もあり、今後もこうした機会を設けたい」としていた。