中日新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

23%が直営見直し検討 中部9県の公立病院、人件費を抑制

2009年2月16日 朝刊

写真

 中部9県で、県や市町村が運営する公立病院の23・4%が、独立行政法人化や民営化など運営形態の変更を含めて検討していることが、中日新聞社のアンケートで分かった。総務省が自治体に策定を促す公立病院改革プランの3月末の締め切りが迫る中、アンケートを実施。経営に苦しむ公立病院が、自治体とは別の給与体系の導入で、人件費の抑制を図ろうとする姿が浮かび上がった。

 9県は愛知、岐阜、三重、静岡、長野、富山、石川、福井、滋賀。アンケートは1月中旬から2月初旬に行い、プランを策定する予定のある直営166病院のうち、74・7%の124病院から回答があった。

 29病院が、直営の見直しを「検討(内容)に含めている」と回答。考えている運営形態の内訳(複数回答可)は、25病院が職員の給与体系を自治体と切り離す「非公務員型の地方独立行政法人」を挙げた。13病院が「医療法人などに運営を委託する指定管理者制度による民営化か、民間移譲」とした。

 4月から、愛知県の一宮市立尾西市民病院と高浜市立病院がそれぞれ、地元の医療法人に譲渡される。

写真

 また、「直営を維持する」と回答した95病院のうち、37病院は、院長などに人事や予算などの権限も与えられる「地方公営企業法の全部適用」を検討すると回答した。26病院は既に全部適用していた。

 近隣病院などと統合を検討する病院は、13病院あった。愛知県の知多市民病院と東海市民病院、一宮市民病院と県立循環器呼吸器病センターも、統合を視野に連携を検討している。

 プランに対しては「へき地医療や、産科、小児科など、不採算部門の切り捨てにつながる」と反発も強い。

 【公立病院改革プラン】 総務省が病院黒字化を目指し各自治体に策定を要請した経営改善計画。(1)人件費比率や病床利用率に目標数値を定め3年以内の達成を促す経営効率化(2)近隣の病院との統合や過剰病床の融通、医師派遣などを内容とした再編・ネットワーク化(3)指定管理者制度導入や民間移譲を想定した経営形態の見直し−が内容。再編・ネットワーク化と経営形態見直しは5年以内の実現を求める。経営が改善しない病院には診療所への転換などを促す。

 

この記事を印刷する

広告
中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ