北海道と岡山県が、住宅供給公社などに貸し付けた資金を、年度をまたいで返済を受けたのは不適切だとして、総務省が両道県に改善を求めていたことが15日、明らかになった。財政破綻(はたん)した北海道夕張市が類似の手法で赤字を膨らませた経緯があるためだが、両道県は見直しには応じない意向だ。
北海道財政課によると、北海道住宅供給公社は02年度決算で約660億円の債務超過に陥り、毎年度281億円の資金不足が発生する見込みとなった。このため道は07年4月、一般会計から公社の会計を管理する特別会計に281億円を融資。公社は1年後の08年4月、08年度一般会計から同額を借り入れ、これを原資に07年度分を返済した。
また、岡山県は07年4月、一般会計から同県住宅供給公社などに751億円を貸し付け、08年4月に北海道と同じ手法で前年度分を返済させていた。
こうした一般会計と特別会計を使って資金をやりとりする手法は「転がし」と呼ばれ、資金不足を見えにくくする。08年度決算から適用される自治体財政健全化法に基づく指標にも表れず、総務省は問題視している。
これに対し北海道は、地方自治法が毎年4月1日〜5月末を前年度の「出納整理期間」と定めているとして、「違法性はない」と反論している。
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