日本郵政110万人顧客名簿も“叩き売り”
日刊ゲンダイ(01月31日10時00分)
●鳩山総務相も「話にならん!」とア然
「まったく説得力のない答えばかりだった。話にならん!」――。日本郵政が「かんぽの宿」70施設をオリックスに一括譲渡する問題で、「待った」をかけている鳩山邦夫総務相(60)が再び不満を爆発させた。
鳩山大臣は先週、日本郵政あてに売却経緯についての質問状を送ったが、27日の会見で、回答があったことを公表。ところが、具体的な根拠は示されなかったと怒り心頭で、「施設の取得に2000億〜3000億円はかかっている。それが109億円で売られるのはおかしい」と切り捨てたのだ。
当然だろう。日本郵政は「かんぽの宿」70施設のほか、評価額40億円以上ともいわれる首都圏社宅9施設を“抱き合わせ”、109億円で叩き売ろうとしている。鳩山大臣でなくても納得はできない。
「日本郵政が譲渡するのは施設だけではありません。オリックスにとっては、同時に手に入る“顧客名簿”も宝の山なのです。何しろ、団塊世代を中心とした『かんぽの宿メンバーズ会員』は、全国で110万人。ほとんどが簡保に加入する“手堅い客”なので、名簿を活用すれば、さまざまなビジネスに結び付けることができる。しかも、今回の契約では『かんぽの宿』の運営期間の条件は2年間。社保庁のグリーンピアは10年の転売禁止が条件だったから大甘です。鳩山大臣も『2年過ぎたら土地や建物を売ることもあり得る』と指摘しているが、本当に濡れ手で粟になりかねませんよ」(野党関係者)
オリックスは早くも投資家向けのリリースで、「かんぽの宿メンバーズ会員の皆さまに、新たなリテール商品・サービス提供も可能です」と宣伝している。日本郵政は、国民への説明義務があるのではないか。
「民営化移行後の日本郵政の暴走は目に余ります。郵便貯金会館(メルパルク)の売却もデタラメで、250億円かけて建設した『メルパール伊勢志摩』をわずか4億円で、210億円の『メルモンテ日光霧降』を7億円で民間企業に売り払っている。国営ではなくなり、チェックが甘くなったのをいいことに、やりたい放題です」(事情通)
これ以上のデタラメを許してはダメだ。
(日刊ゲンダイ2009年1月28日掲載)
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