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将棋の話
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偉人・大塚正士

 将棋の項に書いたように、王将戦は美術館内での公開対局という極めて異例なスタートです。
 その文中の大塚正士様は私が尊敬する人の最右翼です。かつて一冊10万円という自伝を出版しました。しかも内容が経営と女遍歴という誠にけしからんものでした。これが一万冊完売というから凄いです。
 オロナミンC、ポカリスエット等々が代表製品ですが、企業経営の哲学とプライベートの実践は本当に「男」です。こんな人がリードしたら企業も国も一変することでしょう。
 前夜祭での米長会長挨拶。
「前略 私が尊敬する大塚正士様ゆかりの美術館へ来られて大変嬉しい。私は昨年暮れに前立腺癌の治療をしました。いろいろなことは卒業して、将棋の普及のために微力を尽くしたいと考えておりました。ここへ来て、名画を観て感動しましたが、その名画以上にハッと我に返ったことがあります。
私はこれから10年、まだまだ現役で頑張らねばならないのだ。そして10年経ったら10万円の本を出版するのだ。後略」
周りから拍手がありました。

 祝辞のため徳島県知事の飯泉嘉門様が来られました。私が名人になって山梨県イメージアップ大賞を頂いた時の企画課長だった人です。若い人が偉くなってゆくのは楽しいものですね。

素晴らしい教育

 1月21日(水)に東京都武蔵村山市へ講話に行きました。市民会館に700名近くの児童、生徒、先生、保護者達が集まった。
 当日は「日本らしさの発見」と題して小五と中二の14人の意見発表がありました。作文は、主語と述語の関係などには教師が手を加えますが、全て本人の自由にしているということでした。
 「お盆の迎え火はなぜ?」という発表もありました。どこの家庭でもしているお盆のことに触れています。このような当り前のことさえ現在の公教育ではタブーなのです。特定な宗教に偏しているという理由です。おみこしを担ぐ。これも宗教の一環。桜が美しい。これさえも好ましくない。
 というようなことがありまして、日本の教育は「心」をないがしろにしている。学問には本学と末学がある。学力や知識などというものは末学です。
 武蔵村山市は教育長も教育委員会も、本物の教育とは何かを良く分かっている人達ばかりでした。当り前の教育が出来ない世の中にあって、ごく当り前の「教育のつどい」を行った。

 私の講話は1時間10分。小五の児童も目を輝かして聴いていたのには私も感動しました。
 このような年一回の集いを催される区市町村が増えるといいですね。
 私は「日本らしさの発見」と題して「心が大切」と説いています。夜の関係者だけの打ち上げも楽しく、いい一日でした。

癌ノート

 1月10日から始めた「癌ノート」は関心を持って読んでいる人が多いんですね。新聞、製薬会社などからのインタビューや、番組への出演依頼があります。
 一人でも多くの人に情報を提供するのが目的ですから、引き受けるようにしています。個人的にも同病相哀れむという感じで酒の席でもコーヒーでも話題にのぼることが多い。
 私が治療したものは、一年前に保険がきくようになったもので、以前は300万円プラス謝礼でした。ほかの治療も似たりよったりです。
 将棋の戦型もそうですが、技術も日進月歩。それよりも医療費が10分の1になったり、高止まりしているものといろいろあるようです。
 その辺りもきちんと書いてゆきます。「癌ノート」の記載日が入れてあるのは「その時点では」という意味も含まれているのです。

新人採用

 日本将棋連盟では4月1日付で新人を採用します。若干名採用のところへ数十名の申込みがありました。将棋連盟そのものが前立腺癌のような経済状態ですから、リストラはあっても新人採用はあり得ない状況下ではあります。
 この数年をもちこたえられれば大丈夫です。それには若さと笑いだ。とにかく新人の採用です。
 書類審査を経て十名足らずに絞りました。面接と試験です。試験は午前。昼食を全員にお出しして午後は面接。4人の面接官がいて、その長が私です。
「お座り下さい。あなたのお名前と現住所をおっしゃって下さい」必ず私が第一声をかけます。さしたる難しい質問はないのですね。
「あなたは恋をしたことはありますか?」
「はい」
「当然振られたと思いますが、敗因は何だと思いますか。答えたくなければパスでも結構です」
「はい。振られました。電話は翌日でも良いと思ったのが敗着。女性にはマメさが大切なことなんですね」
「その通り。マメにはマメだ」
セクハラなのかパワハラなのか分かりませんが、こんな調子で進行しました。

 試験は英、数、国、社の4項目で25点ずつで合計100点。因みに私は30点も取れません。
「オイ。あんまり点数が良いのは採用したら駄目だぞ。我々のバカが明らかになるからな。冗談、冗談」
 会長、理事、職員、女性とそれぞれ違う目で採点。合議して採用者を決めました。大体が一致した点数になっていることにも感じ入りました。採用というものは、とにかく明るいことが決め手でしょうか。

ネットとブログ

 「将棋の話」に長文を書きました。将棋界が直面しているインターネットについて書いてあります。個人的な話もありますが、ご容赦ください。