NHKが、小丸成洋経営委員長が社長を務める福山通運(本社・広島県)の子会社に対し、山口など4県で07年度以降、受信料の収納業務などを随意契約で委託していたことが分かった。7日、東京都内で開かれたNHKの「視聴者のみなさまと語る会」で小丸委員長が参加者の「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」共同代表・醍醐聡東大教授の質問に認めた。競争入札などを経ずに随意契約を結んだことを疑問視する声も上がっている。
NHKによると委託した地域は山口、島根、鳥取、兵庫4県の山間部。以前は旧日本郵政公社に委託していたが民営化後に受けてもらえなくなり、運転手が配送中に受信料収納などを「試行」している。大西典良理事(営業統括)は「複数の宅配業者に声をかけたが、協力してもらえなかった」と説明する。他の地域では例がなく、試行の期間も未定という。
小丸氏は04年6月に経営委員となり、08年12月に経営委員長に選任された。委託契約は小丸氏が委員在任中の契約にあたる。委員長就任の際「NHKと特別な利害関係がない」ことも選任理由とされた。小丸氏は「他の業者がやらないと聞き、NHKの依頼を受けた」と話した。【佐々本浩材】
毎日新聞 2009年2月7日 21時13分(最終更新 2月8日 2時02分)