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小沢氏と党幹部にズレ クリントン会談、見送り→再交渉

2009年2月14日23時50分

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 クリントン米国務長官と民主党の小沢代表の会談が17日に東京都内で実現することになった。来日直前まで調整がもつれた背景には、政権交代に備え米国とどう向き合うかをめぐる、小沢氏と他の党幹部らの意識のずれがあった。

 14日午前、米政府との調整がついた直後、小沢氏は都内での講演で対米外交を語っていた。20年ほど前、自民党幹部だった当時に市場開放や湾岸危機をめぐる交渉を仕切った経緯を披露し、「我が党にも『大丈夫か』と心配するやつがいっぱいいるけど、私は日米交渉を通じて信頼関係を結んでいる」と胸を張った。

 自衛隊の海外派遣などで政府を「対米追従」と批判してきた小沢氏に対しては、政権に就いた時の対米関係を不安視する声がある。そんな声を「経験の重み」で打ち消そうとしたのだ。

 ただ小沢氏は、党幹部には「政権を取るまでオバマ大統領には会わない」と伝えている。小沢氏がこだわりを持つ外交・安保政策で党内や野党は大きく割れている。政権交代前の発言で、手足を縛られるのを嫌っている面もある。

 そんな姿勢は会談の調整に影を落とした。長官が滞在する16〜18日の大半は、小沢氏が衆院選に向け力を入れる地方出張と重なった。同党は13日午前、会談見送りを在日米大使館といったん確認した。

 だが、小沢氏に会談を求めてきた菅直人代表代行や鳩山由紀夫幹事長らは「政権交代に備え、オバマ政権が民主党への理解を深める契機に」とこだわった。党幹部らが協議し、13日夜に米政府に親書を送って再交渉。小沢氏が出張から戻り、長官が麻生首相主催の夕食会を終えた17日夜に会談がねじ込まれた。

 小沢氏は昨年、インドの首相との会談を急に断り批判を浴びてもいる。「次の首相」らしい振る舞いを望む声は党内に根強く、「長官に会わなかったらまたぼろくそだ」と案じたベテラン議員も米政府との仲介に奔走した。

 会談実現について、菅氏は14日、「大変良かった。まずは初顔合わせでいい」と記者団に歓迎の意を示した。首相は記者団に「良いことだと思います。インドの総理大臣はドタキャンという話だったんで、ちょっとどうかねと思っていましたから」と語った。

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