昨年1年間にインターネット上に書き込まれた自殺予告で、全国の警察が接続業者などから情報提供を受け、救護や説得により自殺を防いだのは95人に上ることが12日、警察庁のまとめで分かった。前年より23人増え、統計を取り始めた06年以降で最多となった。
書き込みを見た人などからの通報をきっかけに警察が対応したのは計196人(前年比75人増)。実際に自殺を図った人は10人(同1人増)で、うち7人が死亡。3人は警察官や家族が救護して一命を取り留めた。説得により自殺を思いとどまったのは92人(同29人増)。
掲示板に自殺を呼びかける書き込みがあるという通報を受け、警察が集合場所や自宅に駆け付け、自殺を防いだケースもあったという。
また、いたずらなどで自殺の恐れがないことが判明したのは74人(同41人増)、書き込み者が判明しなかったのが20人(同4人増)だった。
インターネット上の自殺予告については、05年10月に接続業者の業界団体が「ガイドライン」を作成。緊急性が高い場合、警察の求めに応じ、発信者情報を開示している。【長野宏美】
毎日新聞 2009年2月12日 東京夕刊