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【東京】

産学官で取り組み 大田区 呑川の浄化対策研究へ

2009年2月13日

大田区の新年度予算案について説明する松原忠義区長=区役所で

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 大田区の真ん中を貫く呑(のみ)川。大田区は新年度、産学官で浄化対策の研究に乗り出す。松原忠義区長は十二日の記者会見で「区や住民、大学などがかかわって取り組む。浄化装置は区内の町工場に造ってもらい、世界仕様として発信したい」と意気込んだ。 (松村裕子)

 呑川は世田谷区が源流で大田区を北西から南東に約九キロ流れ、東京湾に至る。下水道で処理した水を流し、環境基準はクリアしているが、ほぼ直角にカーブするJR蒲田駅付近では水がよどみ、春から秋にかけ大雨後などに悪臭が漂う。

 大雨で流れ込む汚物が多すぎて自然浄化できないのが理由。川水に酸素を投入する方法があるが、既存の装置は大型すぎて呑川流域には設置しにくい。

 区内の東京工業大と協働で汚染の実態を調査し効果的な対策を検討する。二〇一〇年度には区内の町工場の技術で、呑川に適した小型で低コストの装置を開発し、一二年度の運用を目指す。

 あわせて流れ込む汚物を減らすため、NPOや学校を通じ、コメのとぎ汁や油を流さないなど家庭でできる対策を区民に啓発する。水質調査に子どもに参加してもらうなど、啓発につながる環境教育も行う。松原区長は区政の柱に据える「地域力」を発揮しての浄化対策を強調した。

 

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