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【東京】黒塀、石畳、柳の木… “花街復活”で活性化を 八王子市2009年2月14日 多摩地区では唯一、芸者衆が残っている八王子市中町に、かつての花街をイメージした黒塀や石畳が復活することになった。黒須隆一市長が十三日発表した二〇〇九年度予算案に盛り込まれた。 (布施谷航) 新規事業として石畳風の舗装道路やあんどん風街灯、黒塀風外壁などしっとりした風情の設備を整備。市中心部にあたる中町の二カ所計百メートルに、かつての花街をほうふつさせる景観をつくり出すという。 同市はかつて、織物の町として栄え、中町一帯では明治から戦後まで、芸者を乗せた人力車が走った。多くの割烹(かっぽう)や料亭もあったという。しかし一九五〇年ごろに百五十人ほどいた芸者衆も、今では十四人程度にまで減った。 今回の事業は、こうしたかつての街並みを取り戻そうとする都の「江戸東京・まちなみ情緒の回生事業」の一環。本年度は日本橋室町と八王子市が選ばれた。事業費は、都の補助約四百八十万円を含む計千四十万円。九月に着工し、十二月に完成する予定。 予算案では、景気悪化を受けて市税は二十一億八千万円の減。一方、南口再開発事業の本格化や本庁舎改修などの継続事業も多く、一般会計の予算規模は前年度比百二十三億円増の千八百三十六億円となった。
◆『元気出る予算』市長から景気後退の中、まちや市民の元気・活力にも意を配することを基本として新年度予算案を編成した。 中町の整備は、中心市街地の活性化を図るために「風になびく柳、三味線の音色が響く石畳や黒塀のある路地裏」といった花街の雰囲気を復活させ、観光客にとって魅力あるまちになるよう行う。 住民らでつくる「中町周辺地域まちなみづくり協議会」が主体となって整備を行い、市は補助と道路整備の補完をする。今回は百メートルの整備だが、地元の機運を見ながら、事業の範囲を広げるか検討したい。
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