NGワード規制、先進国はどうしている?(上)
米「過剰なら放送許可取り消し」
日「罰ゲームで袋だたき→コーナー打ち切り」
独「映画・テレビの脚本から編集まで審議」
「この○○ージーランド」「シ○リアみたいなやつ」「この○○○」「この○○○見たかい」…。老若を問わずNGワードが放送やインターネット上で飛び交う韓国社会(1月30日付本紙記事)。
これらの言葉自体はすべて放送禁止用語ではないが、韓国語の発音が「NGワード」に近く、それを連想させるものだ。問題は、こうした「NGワード」文化が一つの遊びのように受け止められているということ。テレビ番組やインターネットはこうした風潮をあおっている。タレントで「正しい言葉の文化連帯」の副代表を務めるチョン・ジェファンさんは「罵倒(ばとう)が飛び出す番組も問題だが、“シベリア”などの言葉のように、(ののしる言葉そのものではないので)直接は言っていないように見えて、実は罵倒する言葉として使う“アイディア”を子供や若者に教える方がもっと危険」と指摘した。
「番組が面白くあるべきなのは当然だが、同じ理由で新聞にNGワードを掲載したとしたら、受け入れられるでしょうか」
民間機構である放送通信審議委員会の「審議」機能が事実上存在しないに等しい韓国とは違い、日本・米国・ドイツといった先進各国では「NGワード選別機能」がきちんと作用している。
◆成人向けお色気映像には寛容、青少年には厳しい日本の番組
日本は放送倫理・番組向上機構(BPO)に青少年委員会を設置、年平均1600件に上る視聴者からの批判が寄せられ、それらに対する審議を行っている。
2000年、フジテレビのバラエティー番組『めちゃ×2イケてるッ!』の「七人のしりとり侍」コーナーで、答えを間違えた出演者が、ほかの出演者に袋だたきにされるという罰ゲームに対し、同委員会は「テレビが暴力を肯定していることを意味し、青少年に暴力性を植え付ける可能性がある」という見解を示し、結局このコーナーは打ち切りとなった。しかし、こうした構成は『無限挑戦』『ファミリーが現れた』『想像プラス』『スター・ゴールデンベル』といった韓国のバラエティー番組ではよく見受けられる。
また、日本ではフィクションだとしても社会のルールに背くシーンはむやみに放送できない。例えば、カーチェイスのシーンでシートベルトをしていなかったり、どこにでも勝手に駐車したりというシーンは規制される。お色気映像など成人向けの「見る自由」には寛容だが、青少年に対する有害物や反社会的設定には厳しい「2段階措置」になっているのだ。
日本社会の変化に伴い、「NGワード」文化も変わりつつある。事実、1990年代中盤までは日本でも「ヤバイ」(泥棒の隠語)などの低俗な言葉が使われ、辞書にも登場した。しかし、少子高齢化で文化消費の中心層が若者から中高年層に移ったため、状況が変わった。あえて若者に迎合し、NGワードが飛び交う番組を、テレビ局側が作る必要がなくなったのだ。
チェ・スンヒョン記者
東京=鮮于鉦(ソンウ・ジョン)特派員
ニューヨーク=朴宗世(パク・ジョンセ)特派員
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