米科学アカデミーは、1994年、「すべての核物質から核兵器が製造できる」と宣言しましたが、それは、核不拡散政策を遵守する政治的意図であり、科学的根拠は、何ひとつなく、その証拠に、今日、兵器級ウランないし兵器級プルトニウム以外に、製造・実戦配備例が一例もなし。致命的要因は熱設計。素人は米科学アカデミーの政治的意図を鵜呑みにしている。
いまの原水爆の中性子源にはポロニウム210は利用されていない。専門家は、皆、そのことを知っていた。それにもかかわらず、時代錯誤した素人は、ひとり、いまでもポロニウム210が利用されているとブログ書き込み。調査してみたら、その人は、核の専門家でなく、世の中に出回っている啓蒙書を読み議論している程度のまったくの素人。完全なインチキ。
マスコミは、特に、週刊誌や月刊誌は、話を面白く、あるいは、ショッキングな内容にするため、様々な手口を利用。四半世紀前、米国から、「大学生でも原爆が出来る」なるショッキングなニュースが発せられた。実際には、記者の質問に専門家が、「出来るかもしれないし、出来ないかもしれない」と答えたところ、後者を削除し、「出来る」とまとめたため。北朝鮮には、曲がりなりにも、原子炉を設計できるだけの核技術が存在するにもかかわらず、核実験に失敗。そのことから、国家が関与しても失敗することも有り、いわんや、いくら優秀な大学生でも、適正な設計など、できるはずがない。それらしきまがい物のポンチ絵程度しか描けまい。ある程度の核知識を有するテロ集団とて同様。
日本の代表的月刊誌で「日本核武装論」を展開した"市ヶ谷グループ"の市ヶ谷とは自衛隊の代名詞。あたかも自衛隊幹部が執筆したかのように偽装しているが、実際には、軍事評論家もどきが執筆。その証拠は、文中で引用した政府機密報告書に記されたプルトニウム生産炉としての黒鉛減速炉の建設をそのまま主張したこと。それは、マンハッタン計画時かそれ直後の英仏のプルトニウム生産炉であり、その後は、第二世代炉としてのよりコンパクトで経済的な重水炉。その点に気付かないのは、第一線の専門家集団でなく、二流のピンボケ。
米国は、爆発させる地下核実験を中止し、爆発直前の未臨界地下核実験に変更。しかし、それが可能なのは、米国のように過去において数多くの核実験データがあって、初めて、意味のある実験。と言うのは、核実験は、超高温で核分裂させて、初めて得られるデータがあるため。北朝鮮のような国が、未臨界地下核実験だけで、設計の妥当性を検証できないのは、そのため。米国は、核・構造設計を変更し、未臨界実験を実施し、そのデータと過去の爆発実験データを組み合わせ、設計どおりの爆発力の得られる条件を推定。