将 棋 の 話
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まじめな私
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王将戦第一局

 将棋界のタイトル戦は王将戦から始まります。例年成人式のあとです。それから女流名人位戦になり棋王戦と三棋戦が同時進行になるのですね。
 第一局は会長として出張が多いです。王将戦第一局は徳島鳴門市の大塚国際美術館で行われました。
 羽生VS深浦。立会人は正が有吉、副が阿部隆。1月16日(土)が第一局の前夜祭ですので、私も出張しました。
 対局場の美術館へ行ってビックリ。世界を代表する名画の陶板が本物以上の美しさで、そのまま再現されていました。しかも原寸大です。
 昨年秋の竜王戦第一局はパリでした。ルーブル美術館やベルサイユ宮殿で実物を観てきましたが、そのままのものが何点もありました。これは千年経っても変色しないという。
 一番広い部屋は「最後の審判」の部屋です。部屋というよりはホールですね。その絵画に見守られて対局用のセットが作られている。史上初の大広間対決ですな。終戦直後の皇居内の木村義雄対塚田正夫の時と同じくらいの広さでしょうか。
 キリストに裁かれる。天国に昇る人々と地獄へ落ちる人々とが描かれています。七番勝負の第一局ですから「最初の審判」ですかね。
 この美術館を創設したのは大塚製薬の二代目・大塚正士様。10年前で400億円とか。
「この美術館を東京に建てれば儲かるだろう。大阪に立てればトントンだろう。徳島なら赤字だ。わしはそれは承知だが、生まれ故郷のために徳島に建てる」
良い言葉です。
 王将戦第一局は公開対局です。名画に負けない将棋を指してもらいたい。引き続き「まじめな私」をどうぞお読み下さい。

最近の将棋

 近頃のプロの将棋は私らのような者には全く分かりません。そんな中で今日は腰掛銀についての考察を書いてみましょう。

 角換り腰掛銀は戦後流行った戦法です。木村義雄、升田幸三、塚田正夫などが名人戦を舞台に戦った。木村定跡なるものが決定版となって「先手有利」なので後手を持つ人が居なくなった。その後にその対策が出て「千日手が結論」となって、先手をもつ人が少なくなった。
 以上の経緯を経て、プロの将棋界からは姿を消してしまいました。

 平成になる直前あたりから「先手が飛車先の歩をひとつだけ伸ばしておく」という新手法が登場しました。これは画期的な開発で、「先手有利」が確定され、また下火になりました。
 ところが近頃は再び復活して後手の勝率が高いのです。
 振り返ってみると、先手有利→千日手→先手有利→後手充分指せる、という流れです。

A図は今期王将戦の第一局の封じ手からの局面。
A図は先手が仕掛けた局面です。
B図はその後20手ほど進んだ局面です。
AとBを良く見比べてみてください。次のことが分かります。
○先手は手持ちの角を馬として打ち込んでいる。
○先手は一方的に形を崩されている。守りの銀は好位置から9筋に追いやられています。△7七歩と急所に打たれて▲7九金と引かされている。玉は6八まで追い出されている。
○後手は手順に△8六歩と△8五桂と兵を進めている。

 どう考えてもA図に比べてB図は先手が割りを食ったとしか表現出来ません。
 A図では10年前には先手は飛車を一番深く引いていました。なにより違うのは▲7四歩△同金を保留していました。
 B図になったのも後手の金が攻め駒になっているからですね。
 うーん。B図から先手有利にしようとするのは難しいと思うのですが、全く近頃の将棋は分からない。

高校の将棋

 1月29日に「全国高等学校文化連盟将棋専門部会」の会合に出席しました。
 岐阜で行われました。30、31日の両日に新人戦があるのです。生徒の参加は男子が47都道府県の代表96名。女子は39都道府県で125名。女子が増えてきていることと、男女の実力は年々上昇してきています。
 私は大会初日の朝の挨拶をしましたが、それよりも大事なのは前日の会合です。高校の教師の集まりで、県の指導者でもある。日本将棋連盟からは会長のみ出席。これだけの会であれば随行員が居た方が良かったかも。
 3年前の香川県以来の会長出席。皆さん建設的な意見、要望も寄せられました。全てを宿題として持ち帰って検討します。

 各県の代表校の多くは、やはりその県を代表する高校が多いです。
 私の3年前の宿題は、47都道府県のうち鹿児島県だけ不参加。これの加盟に助力して欲しいというものでした。ハイ。今年は加盟して新人を送り込んできましたです。ラ・サールと県立鶴丸の二校です。やっぱりというべきでしょうか。
 都内でも私立の中学校や高校のリーグ戦がありますが、上位校は全て進学実績がある学校ばかりです。「将棋をすれば集中力と思考力が増すので成績が上がる」これを大いにPRすべきですね。
 一番の悩みは30代、40代の将棋好きの教師が少ないことです。今さえ乗り切れば小学校の将棋熱が盛んですので、近い将来の展望は明るい。将棋好きの教師をみんなで捜そうではありませんか。

 大会の指導、審判は杉本、北浜。それに里見香奈に室田伊緒。テレビまで来ていたのには驚きました。
 大会初日には岐阜県の教育長・松川禮子様がお見えになられました。女性の県教育長は全国初でしょう。表紙の写真がその人です。これからもよろしく。

ネットは冷静に

 女流棋士達、特に若い人が明るく、積極的で楽しそうです。みんなで力を合わせて仕事を外部から取ってくる。あるいは西村専務の女流担当理事の地道な努力が報われてきたのでしょう。新人の渡辺弥生さんも嬉しそうです。
 こうなると面白くない人が出てくるんですね。堂々と悪口を言った(書いた)のには驚きました。
 今回は私が自身のホームページで書くにとどめておきますが、本人の反省とそれなりのご挨拶をしてちょ。

 突然に私が登場してきました。どうしてそうなったのか理解に苦しむ。しかも作り話を実話のようにして巧妙です。ネット社会は恐い。
 私が女流棋士はロクでもないと言ったとありますが、嘘です。このような表現をすればどうなる立場かわきまえている人間が、そんなことを言うわけがありません。いかにもありそうなこと風に書いてある。しかも女流の名前を出して、あたかも個人的に興味があるように悪意を持って書いている。
 私は女性が好きですが、相手の女流3人のためにも削除しておいてちょ。「ウソを書いている訳ではない」とありますが、大丈夫ですか。

 将棋連盟は小学生並みの運営とある。やっぱりこれは問題ではないですかなぁ。西村専務とのやりとりも面白いです。
 今のうちに全文削除して「このような失礼なこと、ウソや、自分に都合の良い文章に作って公表する等々は今後致しません」と申し出て下さい。

 2月13日までですぞ。本人には連絡しておきます。尚、私はホームページ上には会食した人の名前など、相手に迷惑がかからないように配慮しているつもりですが、あからさまに悪口はいかがなものか。

インターネットとブログ

 タイトル戦のネット中継と個人のブログについて書きます。前半が公。後半は個人的なものです。長文ですが終いまでお読み下さい。

■日本将棋連盟の実力
 昨年の竜王戦は全七局でアクセス数が7600万ページビューでした。これは最多記録でしょう。読売新聞社が主導ではありますが、日本将棋連盟もネット中継は自前で全て参加致しました。
 第一局はパリ。職員の技術者が同行しましたが、これはハードの面とソフトの面の両方が大丈夫に出来る人物でないと一人では務まりません。
 パソコン入力は女流棋士。それに梅田望夫先生とその助手が居て、全員でチームワークも良く無事に終了しました。
 解説は佐藤康光他私も含めてプロ棋士が随時協力しました。もっとも私のは解説というよりは面白おかしく表現したもので、却ってじゃまだったかもしれません。

 今期の棋王戦は佐藤康光VS久保利明。その一局目は日本将棋連盟が全て責任をもって中継致しました。
 当日は300名を」超す人が大盤解説を聞き、50名が生の対局観戦。ライブも熱氣があり、ネット中継も多くの人々に楽しんでもらえたと確信しております。
 これからはネットのスタッフの他にネット専門解説棋士を謝金つきで派遣してチームで中継を目指しております。2月9日、10日と将棋会館内にて連日会議と方針決定。いくつものチームを作り上げます。勿論組み合わせがありますが、一年中365日ネット中継がありましても、日本将棋連盟はどこにも、誰にも負けないことが出来る態勢です。
 各社にもこのことを強くPRしてゆくことも大切なことと思います。これからも宜しく。又、協力してくれるスタッフも募集しますのでお申し出下さい。


■個人のブログ
 2月13日が締切りでした。先週の続きを記載します。mtmtなる人物のブログに関する私の見解と今後について述べます。
 事の起こりは2月5日の私の日記らしいです。前日に理事とストーカーの怒鳴り合いがあったとある。その日は確か4組くらいの話し合いをしていたと思います。しかし私は理事の名前も、ストーカーの名前も記載してはいません。
 正直言って、将棋界の女性との個人的おつき合いを吹聴したりブログで書いたりしている男が居て、相談されていることは事実です。しかしその人物が誰であるかは書くことはしません。
 mtmt氏は自らが過敏に反応されたのです。しかも理事とのやりとりを記載している。これはストーカーなどとは全く無縁なのに心外であるからか、あるいは思い当たるので過剰反応されたのか。私には分かりません。
 相談されたのですから、ストーカーの氏名は判明しております。「それは自分のこと」と思われるのは自由ですが、私は「誰である」と書いてもいないしヒントも与えてはおりません。

 mtmt氏は女流棋士3名の名前をあげ、以前に私と酒を飲んだ時のことを書いておられます。人間性を疑うというよりもいけないことです。今のうちにこの部分だけは削除して、当事者の女流棋士にはお詫びしをして下さい。
 更には弁護士の名前も登場しました。楽しく酒を飲んでの会話を自分の都合よく表現してネット上で記載というのはいかがなものでしょうか。「女流はロクでもない者ばかり」という部所は削除しなさい。だいいち、それでいて胸がキュンとなる女流棋士が何人か居るということと整合性がないではないか。
 胸にしまっておくこと、書いてはならないこと、他の人を不幸にさせたり迷惑をかけないという心掛けでよろしく。

 許せないのは日本将棋連盟の運営が子供じみたものと断定したこと。会長の私は小学生とあり、いやそれ以下とある。理事会は全会一致でこの記載には対処します。
 開かれた理事会を標榜しており、毎月1回棋士会を開き、別には各種委員会を開いて提言、苦言、要望を話し合っております。理事はプロ棋士の投票で選ばれており、全てがオープンです。mtmt氏の書いたことは全職員への侮蔑でもあり、投票したプロ棋士への挑戦でもある。
 新聞棋戦は私が署名捺印して契約します。棋戦の契約相手は理事会をmtmt氏と同じように見ているのか、これから然るべき方法でお尋ねして参ります。
 組織は会長をトップにして動きますから、これは個人ではなく職員も含めた社団法人への挑戦です。今のうちに削除して下さい。そこでご挨拶をして下さい。
 私個人に対するものは甘受致します。私は裸の王様であり、晩節を汚さないように心掛けます。

 棋戦のインターネット中継は新聞社の速報版でもあります。それは新聞記事であることを忘れてはなりません。対局の棋譜という真実に基づいての速報である。ネット中継に携る者は、新聞記者としての仕事ぶりが求められることは絶対です。これは日本将棋連盟のスタッフ一同にも共通認識として肝に銘じて仕事にとりかかるようにしております。
 ネット中継は新聞記事と同様に、信頼出来る人が携わるべきです。創作したり、公平さを欠いたりすることは新聞社が困らないのかどうか。各社の責任者におたずねして参りたい。勿論担当者同席です。
 その時の話し合いの中味は全文ネットへ載せるべきなのでしょうか。それとも書いてはいけないんでしょうか。私は小学生並みですのでね。