【今週のハイライト】凶悪犯罪から子どもを守れ!
不審な人、車に注意するということ
大人ですら、クラクションを鳴らされたときくらいしか、後ろを振り返ることはないだろう。だが、安全作法では、顔を上げて前をよく確認し、曲がり角では左右を遠くまで見渡してよく見る。さらに、後ろを振り返って確認するという作業が必要だ。これも大人がやっていないのに、子どもに伝えられるものではない。子どもは大人の鑑(かがみ)とよく言われるが、親のすることを子はまねる。つまり、日ごろから「道の安全な歩き方」について伝えるべきなのだ。車からは1.5m以上離れる必要があるのは、車から手を伸ばされて捕まえられないためだ。口で「1.5m」と言うだけではなく、実際に車のそばに立ってみて、「これ以上離れなさい」と距離感を体で覚えさせることが大切だ。
見知らぬ大人に声を掛けられることにも注意が必要だが、これもどういう言葉で話しかけられるか、いくつも例題を出した方がよい。たとえば「道を尋ねられたらどうする?」――このような何気ない言葉でも、意味は重い。私は常々、「常識ある大人は子どもに道を尋ねてはいけない」と言っている。いまどき、車ならカーナビが搭載されているし、地図もある。交番や駅、コンビニエンスストアなど道を尋ねることができる場所はいくらでもあるのだから、わざわざ子どもに尋ねることはないのだ。ただし、「大きな荷物を抱えたお年寄りが道に迷って困っていたら?」――これはできることをしてあげなくてはならないだろう。そうしたさまざまな条件下でどう対応すべきかは、何度でも子どもに練習問題を出して考えておかなくてはならないのだ。
その他の例題としては「おじさんの猫が迷子になった。一緒に探して」「ゲームを教えて。後でソフトをあげるから」など、つい子どもが付いていきそうになるような弱点を押さえておくことが大切だ。「お金を落としたから一緒に探して。お金をあげるから」と言われたら、今の子どもの中には、その誘惑に逆らえない子もいるかもしれない。また、「おうちの人には内緒だよ」と言われたら、どうだろう。子どもは秘密が好きだ。また「知らない人には付いて行かないように」といっても、何度か顔を合わせていれば、油断するかもしれない。顔は知っているし、挨拶もするような相手、子どもだけが知っている人は、はたして「知らない人」なのだろうか、それとも「知っている人」なのだろうか。
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