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2009年2月14日 (土)

『週刊金曜日』北村編集長の天皇制擁護論

右翼番組の『チャンネル桜』に出演した『週刊金曜日』編集長が、自らの天皇制擁護論を主張して右翼の歓心を買っていたことを書いたが、これがこの時初めてではなく、2年前にも同番組に出演して同じ天皇制護持論を主張していた。これは『週刊金曜日』の集会で皇室を揶揄したパフォーマンスが週刊新潮に批判記事が載り、右翼が抗議に対する説明の中で語られている。

「週間金曜日」北村編集長に訊く 8−5(H18.12.14)
http://www.youtube.com/watch?v=FnRbHdN2oUs&feature=related
5分30秒あたりから

北村は「これだけ長い間日本に天皇制が残ってきている。天皇制、皇室、皇族は円の中心である。円の中心があるから市民平等である。中心があるから日本というものが成立している。だからこれを無くしてしまえということがこれまでなかった。」と主張する。

敗戦によって国家体制は民主主義に改められた。明治以来、円の中心と言われてきた皇室は現在の体制ではもはや円の中心ではない。日本人のメンタリティー上の中心でもない。「法の下の平等」が憲法に定められているにもかかわらず、皇室だけは例外とされているのは矛盾するはずだ。敗戦前のイデオロギーをそのままに、天皇制擁護論を主張するのは右翼とどこが違うのか?北村編集長にとって右翼との違いは皇室への敬意があるかないかだけのようだ。
彼は「左翼」と呼ばれることに抵抗があるようだが、まぁ当然だろう。王族という身分を認めて堂々と左翼を名乗るわけにもいかないだろう。

北村編集長がこんな考えなら、天皇制擁護者の佐藤優とまったく違いはない。北村編集長が佐藤に感化されたのか、たまたま同じ考えだったのかわからない。佐藤は天皇制永久保持の為に憲法九条改正に反対と訳のわからない理屈で言っているが、天皇制に反対でないのなら、こんな馬鹿な屁理屈も説得力をもつのかもしれない。

右翼だけに自身の天皇制擁護の考えを説明するのではなく、天皇制反対論者がほとんどと思われる読者にきちんと説明しなければいけないだろう。

今日買った『週刊金曜日』(2/13)の辺見庸氏のインタビューに
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 私は憲法擁護論者で、とりわけ九条については一歩も譲れないという人間ではあります。でも反面、すでに憲法は相当程度壊されていると認識しています。が、その中で、憲法の天皇条項だけは揺るぎない。これがどうして憲法の中心軸なのか。憲法第一章に対する根本の問いというものを、左翼をふくめて出してこなかった。
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天皇制をなくしてこの国はやっていけないのかーーこれは、マスコミ、思想界が故意にさぼり、自己規制してきた重大テーマです。
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我々の個、自我が発する論理のプロセスには、天皇制という見えない非言語系の縛りと心的規制が常に災いしている。それが世間というものをつくっていく。そのプロセスに共同的幻想として天皇制がある。そこから見えない身分制も派生する。とりわけ敗戦国であるこの国は天皇制を倫理的な土台として利用しながら朝鮮を支配し、中国侵略をしてきたことに対する歴史的な反省を、アカデミズムの世界もマスメディアの世界も怠ってきた。天皇制については共産党も社会党も同様に熾烈な議論を避けてきたと思いますよ。そこの戦後民主主義の虚妄の根源があると思いますね。
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辺見庸氏の批判にも値しない天皇制論を持つ北村編集長は、このインタビューを読んでどう感じたのだろう。

 

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