弘前署中央交番所長の警部補の男(46)が酒気帯び運転容疑で検挙された事件で、県警は12日、警部補を道交法違反(酒気帯び運転)容疑で青森地検に書類送検し、懲戒免職処分とした。また、全職場と家庭などにアルコール検知器を配布するほか、職員の自家用車の鍵を一括管理するなどの再発防止策を打ち出した。
容疑は、警部補は1月30日午後10時45分ごろ、青森市石江の国道7号で、酒気帯びで乗用車を運転したとされる。呼気1リットル中0・15ミリグラムの基準値を約3倍上回るアルコールが検出された。
県警監察課によると、警部補は同日午後6時過ぎから弘前市内の独身寮であった新人歓迎会に自家用車で行き、発泡酒や日本酒など7杯以上を飲酒。車内で約30分の仮眠をとり、車で青森市の自宅に向かった。警部補は当初、部下の官舎に泊まる予定だったが、心配して携帯電話で連絡してきた部下に「若いもんで楽しくやれ。インターネットカフェに泊まる」と告げていたという。
歓迎会には、県警察学校を卒業して弘前署に配属が決まった巡査4人と、安田義明署長ら計31人が出席。県警は同日、監督責任のある安田署長ら幹部4人を戒告処分にするなどした。
一方、県警は同日、物損事故を起こしながら通報せずに現場を立ち去ったとされる七戸署の巡査部長の男(57)を、道交法違反(過労運転等の禁止、事故不申告)容疑で青森地検に書類送検し、停職1カ月の懲戒処分にした。巡査部長は、日常的に服用している睡眠導入剤をビール135ミリリットルと一緒に飲んでいたという。アルコールは検出されたが、酒気帯び運転となる数値には達していなかったという。
県警は▽アルコール検知器を全職員と家庭などに配布▽職員の酒癖や心の悩みなどを家族らと共有▽職員による「飲酒運転撲滅標語コンクール」を実施--するなどし、家族と職場とのきずなを深め、飲酒予定日の車での出勤を禁止し、自家用車と公用車の鍵を保管して規律を強化するという。【矢澤秀範】
毎日新聞 2009年2月13日 地方版